サウジアラビアの首都リヤドにあるワタニアスチール社の最新鋭工場では、鉄筋とビレットを製造しています。製品は100%金属スクラップを原料としています。現在、既存の工場に隣接して新工場を建設する大規模な拡張プロジェクトが進行中です。これにより、製品ポートフォリオに線材が加わり、総生産能力は年間30万トンから75万トンに増強されます。
新工場の拡張では、高速ブロックミルで線材を生産します。このアプリケーションでは、高出力かつ高トルクを発揮するだけでなく、非常に限られたスペースに取り付けることができるモータが必要です。ブロックミルのOEMは以前、別のベンダーのモータを使用していましたが、これらのモータはアプリケーションを正しく駆動するのに十分な出力密度を持っていませんでした。そこでワタニア社は、必要な出力とトルクを提供できる代替品を探し、ABBに相談しました。
アプリケーションに非常にマッチ
「私たちはABBの技術専門家と緊密に協力し、要件を評価しました」と、ワタニアスチール社の電気責任者、マナス・パンダ氏は述べています。「ABBが新しいブロックミル用にHDPモータを提案してくださり、このアプリケーションの要求に非常によくマッチしていました。ブロックミルは工場全体の操業に欠かせないもので、地元に密着したサプライヤーから技術サポートとサービスを受けられることを嬉しく思っています」
「私たちは、すべての仕様を慎重に検討しました」と、ABB サウジアラビアのシニア・セールス・スペシャリスト、オメル・メッキは語り、次のように続けます。「HDPモータは、ブロックミルのレイングヘッドと高速ピンチロールの駆動に最適です。小さなフレームサイズで高出力と高トルクを実現します。コンパクトな設計なので、機械的な変更をすることなく、プロセス機器に組み込むことができます」

堅牢で信頼性も高く、サービスフレンドリー
HDPモータは実績のある誘導技術をベースにしており、堅牢で信頼性が高く、サービスも容易です。ABBは2 kWから2 MWまでの幅広いHDPモータを供給しています。ワタニア社の発注は、定格28.4~345kWのHDPモータ8台を対象としており、納入は2023年第4四半期を予定しています。モータは幅広いオプションでカスタマイズが可能で、ワタニア社のモータには巻線とベアリングにPTC温度センサ、スペースヒーター、パルスエンコーダが搭載されます。
ワタニアスチール社は高品質にこだわり、その製品はサウジ(SASO)、ISO、英国規格の要件を満たしています。リヤド工場は2008年に設立され、現在約400名の従業員を擁し、エンジニアリングおよび建設セクターに製品を供給しています。新工場の拡張工事は2023年後半に生産を開始する予定です。