日本の鉱業業界の電動化を推進する先端技術

日本の鉱業業界の電動化を推進する先端技術

エネルギー転換を推進する資源に対する世界的な需要の高まりにより、バッテリー、モータ、ドライブ、その他の重要な電化部品の製造に必要な金属や元素の需要が急増¹しています。

リチウム、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム、マンガンなどの金属に加え、グラファイトなどの導電性元素は、これまで以上に需要が高まっています。この需要は、鉱業業界に新たなる課題をもたらしています。

鉱業はエネルギー集約型産業であり、世界の温室効果ガス排出量の最大7%を占めています²。このうちの大部分は、露天掘りと地下鉱山でのディーゼルエンジン駆動車両の走行に起因しています。  

日本は、鉱山機械の主要な製造メーカーとして世界有数の企業を多数擁しており、鉱山トラックなど多様な製品を生産しています。当社は、日立建機や住友商事などとの協業を通じて、この重要な産業における脱炭素化と効率化に向けた目標の達成を支援しています。

世界初の超大型フル電動ダンプトラックの実証試験を開始

2021年から、ABBと日立建機は世界初の超大型フル電動ダンプトラックを共同開発してきました。このトラックは2024年にザンビアのカンサンシ銅・金鉱山に納入され、その後数ヶ月間にわたり試験運用が行われています。  

建設機械メーカーがお客さまの鉱山現場で超大型のフル電動ダンプトラックの実証試験を行うのは、世界で初めて*3です。

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この試験は、当社の高性能トラクションバッテリーと高エネルギー効率のDC/DCコンバータを採用し、日立建機のトラックをディーゼルからフルバッテリー駆動へ転換する目標を目的として実施されています。  

平地では、トラックは内蔵バッテリーで走行し、上り坂では、車載電気システムがトロリー電源からエネルギーを取り込み、モータに直接電力を供給するとともに、バッテリーエネルギー貯蔵システムを充電します。

下り坂を走行中は、トラックの回生ブレーキシステムがバッテリーを充電し、トラックがトロリーに接続されている際の充電負荷を軽減します。この好循環により、トラックの全体的なエネルギー消費量が削減され、充電中断なしで連続運転が可能となり、高い生産性を維持できます。

高度なバッテリーエネルギー管理システムと熱管理システムが、バッテリーの寿命を最大限に延ばします。

ハイブリッドとフル電動ダンプトラックは明らかに今後の潮流ですが、移行は今すぐ始める必要があります。大手鉱山企業は2050年までにネットゼロを達成する明確な目標を掲げており、鉱山トラックの車隊を電気化しなければ、この目標は達成できません
ー Fabiana Cavalcante, ABBモバイルe-Power部門責任者

住友商事とABB、鉱山機械の脱炭素化をめざす

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日立建機とのコラボレーションに加え、当社は日本の住友商事株式会社と、鉱山業を含む重工業分野における技術システムに関する戦略と提言を確立するための合意を締結しました。

当社は、住友の建設・鉱山システム戦略事業部門と協力し、鉱山機械のオペレーションの脱炭素化に向けた共同ソリューションの検討を進めています。特に、車両の電動化と再生可能エネルギーの統合に焦点を当てています。

住友商事とともに、私たちは鉱業における重機の脱炭素化という課題にさらに深く取り組む準備ができています。テクノロジーのリーダーとして、私たちはこの責務を軽視せず、よりリーンでクリーンなオペレーションを実現するためのあらゆる手段を追求します。どの組織も単独でこれを達成することはできません。私たちは、新しいパートナーと強いバリューとアイデアを共有しています
ーJoachim Braunプロセスインダストリー ディビジョンプレジデント

【出展】
1. IEA: The role of critical minerals in clean energy transitions
2. Climate risk and decarbonization: what every mining CEO needs to know  
3. 2024年6月27日現在、建設機械メーカーが積載量150t以上の超大型ダンプトラックで行う実証試験が対象。

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