日本初の超大型洋上風車設置船のシステム契約を獲得

日本で初めて建造される世界最大級の自己昇降型風車設置船にABBの先進的電力システムが選ばれました。ABBは日本国内で急速に拡大する洋上風力セクターを支援します

日本の造船所から納入される初めての超大型自航式SEP船(Self-Elevating Platform:自己昇降式作業船)(WTIV)となる28,000GTジャッキアップ船は、ABBの先進的な電力・制御技術が搭載されます。造船会社、ジャパン マリンユナイテッド(株)から注文されたこれら機器が搭載された本船は、2022年に清水建設(株)に引き渡される予定です。

清水建設(株)の風車設置船
清水建設(株)の風車設置船
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清水建設(株)向け全長142mのこの新造船は、洋上風車設置船でこれまでの最大級の揚力・運搬能力を備えています。本船は、最高楊重高さ158m、最大揚重能力2,500トンのクレーンを用いて、単一航海で7基の8MW風力タービンを輸送、設置することができ、水深10~65mの範囲の海域で稼働することができます。

ABBは、船舶の自動船位保持作業(DP)のためのクローズドリング(Closed ring)ソリューションを提供し、発電設備の故障の場合においても高い信頼性と安全性で船内電力の供給を可能とします。これらのソリューションは、新造船に適用されるか、または改造船に適用されるかにかかわらず、電力ネットワーク障害に対する回復力の増強、ならびに電力損失に対する適時かつ正確な保護を提供します。

「ABBのDPS 船(ダイナミックポジションシステム搭載船)向けクローズドリングシステムや風車設置船についての豊富な経験が、このプロジェクトにABBを選定した要因でした。我々は、クローズドリングソリューションが、運用の柔軟性とエンジンの運転効率を改善する一方で、電源動力損失に対する保護機能を強化することが安全上最も重要な点であると評価しています」と、ジャパン マリンユナイテッド(株)の広報担当者は述べました。「ABBのこれらの技術に関する膨大な経験は、我々にとってメーカ選定の決定的な要因でした」

ABBの供給スコープは、発電機、高圧配電盤システム、主推進機および船首推進機用のドライブおよびモータ、ならびにパワーマネージメントシステム(PEMS)の納入およびシステムインテグレーションも対象としています。

「我々は、清水建設(株)およびジャパン マリンユナイテッド(株)と協力して、このランドマークとなる船を日本の再生可能エネルギー戦略の重要な段階で日本市場に納入できることを光栄に思っています」とABBマリン&ポーツのマネージングディレクターのJuha Koskelaは述べました。「持続可能性は、ABBマリン事業の中核的コミットメントであり、我々は、日本の洋上風力エネルギー開発を支援する上で鍵となるこのベンチマークとなる受注に喜んでいます」

ABBの「Electric.Digital.Connected.」ビジョンに沿って、この船はABB Ability™Remote Diagnostic Services for Marineを活用することができます。船内電力系統は、遠隔機器監視およびデータ分析機能を使用することによって、予防保全、計画的な遠隔介入を可能にする他、ABBの専門スタッフが配置された7つの既存の陸上ベースのABBマリン&ポーツコラボラティブオペレーションセンターから遠隔技術支援も利用できます。

日本の一般的な姿勢と政策は再生可能エネルギーに好意的であり、政府は最近、港湾関連区域を越えた洋上風力発電所の建設を認める法律を制定しました。この動きは、アジアの洋上風力発電容量が2030年までに165GWに達するとの世界風力エネルギー評議会の期待と一致しています。この成長の大部分を中国が占めることになりますが、アナリストのウッドマッケンジーは最近、日本の洋上風力発電容量が2028年までに4GWに拡大すると予測しており、これは2018年に比べて62倍の増加となります。

これらの期待に応えるためには、日本では海岸線に近いところで水深が急激に深くなることより風車設置に適した地域が限定されるため、課題となっています。発電出力を最大にするには、大型の風車が必要であり、この風車を設置するには、大型のWTIVが必要です。このような船舶の多くは欧州海域での任務に従事しており、日本は、そのための高性能なWTIVの調達を急務としています。

ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、産業のデジタル変革を推進する技術的リーダーです。130 年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、ABB は今日、全ての産業を網羅するABB Ability™デジタルプラットフォームを基盤とした、エレクトリフィケーション、インダストリアル・オートメーション、モーションおよびロボティクス&ディスクリート・オートメーションのお客さま本位で世界をリードする4つの事業を展開しています。ABB のパワーグリッド事業は、2020 年に日立製作所に事業譲渡します。ABB は世界100か国以上に約144,000 人の従業員を擁しています。www.abb.com

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