ABBのドライブ技術が次世代ハイブリッド内航貨物船を強化

ABBのドライブ技術が次世代ハイブリッド内航貨物船を強化

高効率でコンパクトなサイズと柔軟性を備えたABBの水冷式マルチドライブは、排出量の削減を目的とした船舶の推進システムとして理想的なソリューションです。バッテリ駆動が可能なため、港湾やその他の厳しい環境下でのゼロエミッション運航が可能です。

このハイブリッド船は現在、日本で建造中です。全長70m、総トン数499トンで、主に鋼材を積載する予定です。

「この船は、内航海運のCO2排出削減と省エネルギーのための政府プログラムによる資金援助が承認されています。そのため、このプロジェクトでは効率性が非常に重要です。当社が納入するハイブリッド推進システムは、ABBのマルチドライブをベースにしています」と、東京から西へ約500kmの姫路市に本社を置くシステムインテグレータ、西芝電機の広報担当者は話します。

コンパクトな水冷式マルチドライブ

本船に納入されたACS880水冷式マルチドライブは、2つの推進モータとスラスタモータそれぞれに1台ずつ、計3台のインバータを搭載しています。非常に効率的な水冷却により、マルチドライブは大変コンパクトになり、船内の限られたスペースに設置することが可能になりました。ACS880水冷式マルチドライブは、コーティングされた回路基板、広い動作温度範囲、全閉キャビネットにより、舶用条件に適しており、船内の振動に耐えられるように設計されています。

本船のマルチドライブは、2台のDCフィーダユニット(DFU)と船内負荷用の2台のOptimal grid converters™を搭載しています。DFUは、スーパーキャパシタやバッテリなどのエネルギー貯蔵・供給源をドライブシステムのDCバスに接続することを可能にします。バスからバッテリに充電したり、バッテリからバスに放電したりすることができます。これにより、ゼロエミッションでバッテリ駆動が可能となります。

「DFUは、ハイブリッド船やフル電動船向けに特別に設計されており、設置面積も非常に小さくなっています」とABBのグローバルプロダクトマネージャーであるJarkko Mattilaは述べています。「DFUは通常、電源を安定化するヒーブ補償、ピークロード補償、推進用に使用されます」

ドライブシステムのOptimal grid converters™は、ACS880水冷式マルチドライブの直流電圧を利用し、安定した電圧と周波数での交流に変換します。これは、船舶の船内負荷、すなわちナビゲーション機器、ポンプ、ファン、照明などの非推進アプリケーション負荷に電力を供給するために使用されます。

ABB マルチドライブは、負荷条件が変化しても柔軟で効率的なエネルギー伝送を可能にし、ピークカットを行うこともできます。そのため、オペレータは燃料消費を最小限に抑え、メンテナンスコストを削減し、必要なときにはエミッションフリーで運転し、地域のCO2を削減することができます。

ACS880水冷式マルチドライブは、港湾における排出量削減目標の観点から重要性を増している陸上接続も可能です。船舶は陸上接続を利用して、港の電力系統に接続することができます。これにより、燃料節約やゼロエミッションの目標を達成できるだけでなく、エンジンの騒音や振動を低減することができます。

エネルギー効率と柔軟性

ACS880水冷式マルチドライブ
ACS880水冷式マルチドライブ

排出ガス規制の強化に伴い、環境に優しくエネルギー効率の高い船舶を目指す船舶業界では、現在、ハイブリッド推進システムや電動化が非常に注目されています。エネルギー使用量の削減はもちろん、港湾における排気ガスや騒音公害をなくすことが最大の関心事となっています。

船内のエネルギーミックスは、排出ガス規制に合わせて変化していますが、中期的にどのエネルギー源が主流になるかはまだ明確ではありません。このような状況において、電力伝送システムは、将来を見据えた柔軟な選択肢となります

技術協力と認証サポート

電化の急速な進展は、海洋産業が大きな変革期を迎えていることを意味します。ABBのマリンエンジニアリング専門チームは、新しい技術を取り入れる必要性に直面するお客さまをサポートしています。

「ABBのエンジニアは、当初から西芝電機のチームと密接に連携していました」と Jarkko Mattila は説明します。「私たちは、船舶用DCグリッドアプリケーションに関する専門知識を共有し、システムレベルのサポートを提供し、システムのさまざまな技術的側面について広範囲にわたって議論してきました。そして、船主のために最適で効率的なソリューションを提供することができました。西芝電機との協力関係は非常にスムーズで、このようなプロフェッショナルなシステムインテグレータと仕事ができたことを嬉しく思っています」

さらに、ABBのエキスパートの1人が認証機関である日本海事協会(ClassNK)と協力し、ACS880LCマルチドライブが適切な船舶規格の認証を受けられるようにしました。

このハイブリッド船は2023年4月に就航予定で、日本の貨物輸送に重要な役割を果たしている内航海運業のCO2排出量削減に貢献することが期待されています。

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