スウェーデンの代表する輸出製品であるアブソルートウォッカはただ1つの生産ラインで全世界へ供給されております。その生産ラインプロセスの信頼性はアブソリュート社の利益に非常に重要となっております。
南スウェーデンのアブソルート社は、彼らの有する蒸留所のコンディションベースドモニタリングとメンテナンスを最適化するために様々な最適解を調査しました。
そこで、ABBは簡易的かつコスト効果の高い状態監視ソリューションABB Ability™スマートセンサを提案しました。
今までの経験上、振動監視機器は導入コストが高いため、蒸留所にはハードルが高く、大きな弊害でした。「しかしながら、このスマートセンサは、高価でなくかつ複雑でない無線接続が可能でアブソリュート社が求める継続的な状態監視を提供できると確信しました。」とアブソルート社のメンテナンス技師であるJonasha氏はと述べております。
スマートセンサは携帯電話ぐらいのサイズです。「醸造準備」のプロセス(蒸留所全体に影響を及ぼす重要な操作)を担うモータに導入されました。
アブソリュートウォッカは年間1.3億本生産されており、スウェーデンの品質の高い冬麦を多く使用し、発酵・蒸留を行っています。
素早い検知力
センサがモータに装着されるやいなや攪拌モータの異常な振動曲線を検知し、ベアリング不良の可能性が示唆されました。より詳細な分析を行ったところ、ベアリングの不具合が実際に見つかりました。
予想外の生産停止を引き起こすことなく、ベアリングの故障前に不調に気づけたため、アブソリュート社は定修時にその対応ができました。
スマートセンサを導入したことで予期せぬダウンタイムを引き起こすことなく生産性を保つことに成功しました。
スマートセンサはさらに2つ目の異常の可能性を示唆しました。発酵の生産ラインで使用されているポンプの1つに大きな振動が検知されました。当初はエンジニアがベアリングの問題であると推測しましたが、実際にはバルブの不慮のズレによるポンプのキャビテーションと判明しました。
「スマートセンサは大きな故障になる前の小さな事象の検知及び対応を提供し、私たちは簡便な方法で醸造過程における深い洞察力を得ることができました。モータの状態を理解することで、該当モータのメンテナンスの計画を立てることができ、メンテナンス時期を生産停止に合わせることが出来ます。」とアブソルート社エンジニアのトニー氏は述べております。
「振動、温度、その他の重要な要因を測定を可能とする状態監視ソリューションは費用対効果を生んだ良い例になりました。」とABBフードビジネスのグローバル担当者Brith Isakssonは語ります。
「アブソルート社の方々はより多くのスマートセンサを使用することで更なる利益があることを感じており、次の段階としてアクセスが難しい場所にあるモータへの取り付けを目指しています。」