プライメタルズ・テクノロジーズ社、 
ザルツギッター社の水素発電製鉄プロジェクトにABBの電気炉設備を採用

プライメタルズ・テクノロジーズ社、 ザルツギッター社の水素発電製鉄プロジェクトにABBの電気炉設備を採用

  •  ザルツギッター社の低炭素製鉄プログラム(SALCOS®)は、既存の石炭ベースプラントを水素還元プラントに転換
  •  ABB 電磁攪拌ソリューション“ArcSave®”が、高効率の新型プライメタルズ・テクノロジーズ社製電気アーク炉「Ultimate」に搭載
  •  ABBの技術により、鉄鋼メーカの生産性向上と効率的な資源利用を支援し、生産コストと二酸化炭素排出量を削減

ABBは、ドイツの大手鉄鋼メーカであるザルツギッター・フラッハシュタール社にABB ArcSave®電磁攪拌装置(EMS)を提供します。このArcSave®は、プライメタルズ・テクノロジーズ社が提供する新しい電気アーク炉(EAF)の操業を最適化するものです。製鉄プロセスを石炭ベースから水素ベースに転換するSALCOS®プログラムの第一段階として新電気アーク炉が導入されます。

ザルツギッター社は、2033年までにドイツ・ニーダーザクセン州ザルツギッターの工場で実質的にCO₂フリーの鉄鋼を生産する目標を掲げており、これを達成するために、既存の高炉と転炉を3基のEAFと2基の水素還元プラントに置き換えていきます。これによりザルツギッター社はCO₂ 排出量を95%削減できる見込みです。この開発は国際エネルギー機関(IEA)の報告書に沿ったもので、水素や水素ベースの燃料は、重工業や長距離輸送など排出量の削減が難しく代替手段がない分野、もしくは導入が困難な分野の脱炭素化において重要な役割を果たすことができる、と述べられています。

ザルツギッター社は、電気炉メーカ(OEM)であるプライメタルズ・テクノロジーズ社と、Ultimate電気炉に関する契約を締結しました。タップ重量220トン、年間生産能力190万トンのこのEAFは、SALCOSプログラムへの転換の第一段階です。Ultimate電気炉は、プライメタルズ・テクノロジーズ社のポートフォリオの一部であり、タップ間隔の短縮、完全自動運転、高度な制御システムを提供します。ABB ArcSaveは、炉内溶鋼の流動を制御することで、EAFの操業を最適化し、生産性の向上、コストの削減、電気エネルギーを含む資源利用の効率化を実現します。

  • ArcSave電磁撹拌装置は、強制対流によりスクラップおよび合金鉄の溶解を促進し、電気アーク炉の溶鋼の温度分布および化学組成を迅速に均一化します。Image ABB
  • 高炉から電気アーク炉に切り替えた鉄鋼メーカは、ArcSaveにより生産性と資源効率を向上させることができます。Image AdobeStock

「SALCOSプログラムを遂行することにより、私たちは鉄鋼生産の脱炭素化におけるパイオニアとなります。私たちは、プライメタルズの電気アーク炉にABBの電磁攪拌装置を適用することで、さらなる操業最適化を行える、この確立された技術に支えられています」と、ザルツギッター社の製鉄部門の責任者であるUlrich Grethe氏は述べています。

ABB ArcSaveは、特許取得済みで実績のある独自の技術であり、電磁力により溶鋼流動を制御することでEAFの操業を最適化し、生産性・品質向上を行うために設計されています。世界最大級のアーク炉や世界165以上のプロジェクトに導入されているArcSaveは、既設電気炉と新設電気炉のどちらにおいても導入可能であり、生産性向上、省エネルギー、二酸化炭素排出量の削減に貢献します。新電気アーク炉の試運転は2025年に予定されています。

ABB冶金事業のグローバル営業責任者であるZaeim Mehrabanは、「資源効率とエネルギー効率の高さから、多くの鉄鋼メーカが高炉など他の製鉄方法よりも環境負荷の低い電気炉に切り替えています」と述べ、また「ArcSaveは、より安全で安定した効率的なアーク炉操業を可能にし、財務目標のみならず、持続可能性にも貢献します。ザルツギッター社の低炭素製鉄プロジェクトにおいて、鉄鋼業界の大手企業であるプライメタルズ・テクノロジーズ社と協力できることは素晴らしいことです」と続けます。

ArcSaveはEAFの炉底と非接触で設置されるため、炉底からの漏鋼リスクを最小限に抑えます。ArcSaveが生み出す移動磁界により炉内の溶鋼を攪拌し、炉内溶鋼の温度分布と化学成分を均質化することによってEAFの操業を改善し、自然対流のみと比較してスクラップと合金鉄の溶解を促進します。

ABBの特許技術であるArcSaveは、これまでの導入実績から生産性を5~7%向上、歩留まりを約1%改善させます。また、電気エネルギーの消費を3~5%削減するだけでなく、合金や石灰などのプロセス添加物や、電極などの消耗品の使用も削減します。

ザルツギッター社は年間700万トンの粗鋼生産能力を持ち、国内外150の子会社と関連会社で2万5,000人の従業員を擁しています。

ABBプロセスオートメーション事業は、エネルギー、水、材料の供給から、商品の生産、市場への輸送まで、幅広い必要不可欠なニーズに対応する産業オペレーションを自動化、電化、デジタル化するものです。ABBプロセスオートメーションは、約2万人の従業員、最先端のテクノロジーとサービスの専門知識により、プロセス産業、ハイブリッド産業、海運産業のお客さまのオペレーションのパフォーマンスと安全性の向上を支援し、より持続可能で資源効率の高い未来を可能にします。n

ABB は、エレクトリフィケーションとオートメーションのテクノロジーリーダーであり、より持続可能で資源効率の高い未来の実現を目指しています。ABBのソリューションは、エンジニアリングのノウハウとソフトウェアを結び付け、製造、移動、電力供給、それらの運用の方法を最適化します。140年以上にわたり築いてきた卓越性を土台に、ABBの約105,000人の従業員が、産業の変化を加速させるイノベーションの推進に尽力しています。www.abb.com

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