ABBは2023年6月から9月にかけて、省エネ査定サービスの一環として、2000台以上の産業用モータを分析し、平均31%のエネルギー節約を特定しました。これは、これらのシステムの20年間の寿命にわたる2.1テラワット時(TWh)以上の潜在的なエネルギー節約に相当します。省エネ査定により、産業界の事業者が保有するモータ駆動システム全体で、どこに最大のエネルギー節約の可能性があるのか正確に特定できます。これは、最適なエネルギー節約と投資収益率(ROI)を得るために、どこに投資すべきかを決定する際に、産業界の企業が直面する障害を克服します。査定は、現場のモータ駆動システムから運転データを収集して行われます。サービスエキスパートはこれを、可変速ドライブ(VSD)を追加するか、機器のサイズ変更や近代化によって達成できる論理的なパフォーマンスと比較します。
エネルギー効率を向上させることで、事業者は電力消費を削減し、各国のエネルギーミックスとコストに基づく優れたCO2削減と投資収益率(ROI)を実現できます。例えば、査定対象のすべてのモータがUAEで稼働しているとすると、2.1TWhのエネルギー節約は、150万トンのCO2排出と6カ月でのROIに相当します。代わりに、ドイツではこれが94万トンのCO2削減と3カ月でのROIに相当します**。これらの節約は、ドイツでは石炭発電所の排出を2カ月、UAEでは3カ月分を相殺するのに十分です。
「世界が来週のCOP28で、どのように気候変動へ立ち向かうかを検討している中、我々の結果は、地球のためだけでなく、ビジネスのためにも正しい行動が可能であることを示しています。したがって、2000台以上のモータで平均31%のエネルギー節約を見つけたことは、電気モータ駆動システムが、低炭素社会への移行を加速させる素晴らしい未開発の機会であることを示しています」と、ABB モーションサービスビジネスプレジデントのErich Labudaは述べています。
世界には3億台以上の産業用モータがあり、特にこのうち半数以上が20年以上前のものであり、近代の高効率技術に置き換えられているため、エネルギーとCO2排出を削減する大きな可能性を示しています。
査定対象のモータは、食品・飲料、化学プロセス、エネルギーおよびHVAC(暖房、換気、空調)など、複数の産業で稼働しています。これらは、ポンプ、ファンおよびその他のシステムなどの低圧および高圧モータのアプリケーションをカバーしています。査定では、さまざまなモータ駆動のアプリケーション間でパフォーマンスの一貫性のあるパターンが見られ、通常、ファンが最も大きなエネルギー節約を可能にします。さらなる分析では、VSDのないモータが最大の機会であることも特定されました。VSDは、モータの速度またはトルクを制御し、需要に応じた出力に精密に合わせることでエネルギー消費を削減します。
これらの調査結果は、Energy Efficiency Movementによって最近発行された “産業用エネルギー効率化の必要性(英語)” をサポートしています。この報告書は、企業のリーダーにとって、複雑かつ高額なプロジェクトを必要とせずに、成熟した技術を活用し、コストと排出量に有意義な影響を及ぼすことができる、10の対策に関する洞察を提供しています。
詳しくはこちら ABB’s Energy Appraisal (英語)
* EU 平均 (~1670 kWh/year) (英語)
** ROIは現在のエネルギー価格で算出
ABB は、エレクトリフィケーションとオートメーションのテクノロジーリーダーであり、より持続可能で資源効率の高い未来の実現を目指しています。ABBのソリューションは、エンジニアリングのノウハウとソフトウェアを結び付け、製造、移動、電力供給、それらの運用の方法を最適化します。140年以上にわたり築いてきた卓越性を土台に、ABBの約105,000人の従業員が、産業の変化を加速させるイノベーションの推進に尽力しています。
ABBモーションは、日々エネルギーを節約しながら、世界を回し続けています。私たちは、お客さま、業界、社会の低炭素の未来を可能にするために、技術の限界を革新し推進します。 デジタル対応のドライブ、モータ、サービスにより、お客さまとパートナーはより優れたパフォーマンス、安全性、信頼性を実現します。 当社は、あらゆる産業分野の幅広いアプリケーションに最適なドライブとモータのソリューションを提供するために、専門知識と技術の組み合わせを提供しています。私たちは、グローバルなプレゼンスを通じて、常にお客さまのお役に立ちたいと考えています。電動パワートレインの140年以上の累積経験を踏まえ、日々学び、改善しています。