IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)は、持続可能性の推進において重要な役割を果たし、世界100カ国近くで15ブランドにわたる5,500軒以上のホテルを運営しています。IHG Green Engageシステムを通じて、IHGは2013年から2017年の間に占有 スペースあたりのCO2排出量を15%削減しました。エネルギー削減の主要な注力分野は、ホテルが消費するエネルギーの60~80%を占めるHVACシステムです。
インターコンチネンタルマドリッドは、IHG Green Engageシステムにおいて大きな成功を収めました。パセオ・デ・ラ・カステラーナに所在するこの5つ星ホテルは、65年の歴史を通じてスペインのホスピタリティ業界を代表する存在です。大統領、王族、有名人、ビジネスリーダーを含む年間約10万人のお客さまをもてなします。
「IHG Green Engageプログラムを通じて、すべてのホテルが定義された環境目標を達成しなければなりません。しかし、お客さまの快適性や利便性において妥協することは決してありません」とインターコンチネンタルホテルマドリッドのチーフエンジニアEsteban Rodriguez氏は説明しています。ABBのマドリッドにおける販売、サポート、サービス、エンジニアリングのオフィシャルバリュープロバイダーであるエクセル・インダストリアル社が実施した詳細エネルギー調査により、ホテルのエネルギー使用量が特に高いのは、客室、台所およびその他施設のHVACシステムおよび給湯用の8つのポンプ群であることが明らかになりました。
これらの調査結果に基づき、ポンプシステムは、13台のABB ACH550可変速ドライブ(VSD)と16個のIE3効率クラスの電気モータが設置され、ビル管理システムに統合されました。このアップグレードにより、モータ速度は常に正確な要求に適合して調整され、システム全体の安定性とエネルギー効率が向上します。
ABBのインテリジェントモーションソリューションは、約40%の省エネを可能にし、インターコンチネンタルマドリッドがIHG Green Engageシステムの目標を達成するだけでなく、それを超えることに貢献します。1年間で最大445,000kWhとなる、ホテルの年間エネルギー請求額37,000ドルが削減され、2年以内に予定した投資対効果を達成することが見込まれます。
IHG Green Engageプログラムの結果、ホテルのCO2排出量は年間253トン削減されました。世界に187,000軒あると推定されるホテル(STRグローバルによる)のうち、わずか4軒に1軒で同様の省エネが再現できれば、世界のCO2排出量は年間約1,200万トン削減できます。これは石炭火力発電所3基の停止と同様の効果です。
ITP(International Tourism Partnership)が発表した研究によると、ホテル産業は現在、全世界のCO2排出量の1%を占めています。この数字は、観光ブームが続くにつれて増加し、世界のホテルの客室数は、2050年までに1,750万室から2,500万室以上に増加すると予測されています。