3月5日、世界初の自律運転をする12メートル(40座席)の完全電気バスがシンガポールの南陽理工大学(NTU:Nanyang Technological University)にて、披露されました。このビジョン実現のためにABBは、大型車両向け充電器(HVC:Heavy Vehicle Charger)2台を提供しました。
このプロジェクトは、NTU、陸上交通省(LTA:Land Transport Authority)およびボルボ・バス間の継続的な協力の一環における、バスの自律運転技術を開発するものです。今回のフェーズは、自走バスの試行を含み、シンガポールにおける既存の公共バスサービスに類似した固定ルートならびに定期サービスを提供する能力を実証します。ABBはこのプロジェクトの主要なパートナーであり、シンガポールが持続可能なモビリティに向けた新たな大きな一歩を踏み出すことを支援しています。
ABBのHVC300P急速充電システムは、300kWのDC電力を供給し、3~6分でバッテリーを再充電します。同システムは、シンガポールならびにアジア太平洋全域で現在使用されている直流電気バス充電用のオープンインタフェース、OppChargeをベースにしています。バス停や終点に設置されている充電器に据え付けられたパンタグラフを使用して、通常の路線運行に影響を与えることなく充電することが可能になります。
エレクトリフィケーション・プロダクト事業のプレジデント、タラック・メタは次のように述べました。「ABBは、スマートで持続可能な輸送ソリューション開発の最前線にいます。私たちは、よりクリーンで、より効率的かつ費用対効果の高いソリューションの開発を可能にする、柔軟で高品質な充電システムの構築を開拓してきました。当社は、シンガポールにおけるこの画期的なプロジェクトに携われることを嬉しく思います。このプロジェクトが、二酸化炭素排出量が急速に発展する都市の主要な懸念とされている地域における公共交通機関ソリューションのさらなるエレクトリフィケーションに向けた積極的な一歩となることを期待します」
自律運転電気バスの1台は、シンガポールのNTU構内の最新試験施設Centre of Excellence for Testing and Research of Autonomous Vehicles(CETRAN)で使用されます。この施設では、研究者が新機能を試験し、バスが道路を走行する際に他の車両や人とどのように影響し合うかを研究します。もう1台のバスは、SMRTと連携して、バスターミナルでの試験に使用されます。
ABB:eモビリティ充電の先駆者
ABBのDNAには、先駆的な技術を絶えず発展させている研究開発文化が深く根付いています。これは、eモビリティの分野で特に明白です。ABBは、CHAdeMOおよびCCSの充電規格協会の創設メンバーの一社であり、2010年に最初のDC高速充電器、2012年に最初の全国DC充電ネットワーク、2016年にヨーロッパで最初の電気バス(eバス)充電ネットワークを立ち上げました。今日、ABBはEVインフラの世界的リーダーです。
ABBは、EV、eバス、ハイブリッドバスの充電ソリューション、船舶・鉄道の電化ソリューションを幅広く提供しています。2010年にEV充電市場に参入し、現在、73カ国に10,500台のABB DC高速充電器が設置されています。設置数では、どのメーカーをも凌ぎます。ABBの設置基盤に含まれるTerraハイパワー充電器は、走行距離200kmをわずか8分で充電することができます。
フォーチュン誌は昨年eモビリティとEV充電器における発展を評価し、ABBを「世界を変える」企業ランキングで8位にランク付けしました。ABBは、ABB FIA Formula E Championshipのタイトルパートナーとして、またJaguar I-PACE eTROPHYシリーズのOfficial Charging Partnerとして、スマートで持続可能な輸送の将来を支援および拡張するコミットメントを拡大します。