小都市から大都市まで、ABB は政府や市民と協力し、スマートユーティリティ、スマートビルディング、スマート輸送、スマート産業に焦点を当てたイニシアチブを実施することにより、現代の都市における人口増加やインフラの老朽化などの問題対処をサポートしています。
最近では、ABBのソリューションにより、都市部が拡大し、人口の増加が続くベトナムのホーチミン市の水漏れやパイプの損傷による上水の損失を30% 以上、1億5000万立方メートル相当削減しています。
ベトナム・ホーチミン市水道総公社 (SAWACO) から委託されたプロジェクトでは、現在のネットワーク容量の拡大、より孤立したセクションの統合、水漏れの低減、およびネットワーク状態のリアルタイム制御と監視を行うことにより、大規模な断水を未然に防ぎます。その結果、家庭や産業に供給される水の量が増加し、1日あたりに失っている推定50万立方メートルの無収水が最小限に抑えられると予想され、その量は中規模の浄水施設が一日に処理する量に匹敵します。
「未来の優れたスマートシティは、“技術的コラボレーション”の可能性を最大限に活かし、テクノロジーインフラの最も良い面を組み合わせていきます」と、ABBグローバルのエネルギー産業部門 のマネージングディレクター、ケヴィン・コシスコは述べています。
「これにより、都市のコミュニティ間、また、市民や自治体間で、生活の質の向上のためのより幅広い協働が生まれます」
ヨーロッパでは、デジタルへの移行におけるABB のコラボレーションの例として、スウェーデンで5番目に大きな都市ヴェステロース市が挙げられます。ヴェステロース市のエネルギー企業、Mälarenergi社は、伝統的なユーティリティ企業からエンドユーザの満足度を念頭に置く「総合的インフラサービス」の会社へと変貌しています。
このコラボレーションにより、15万の市民とこの地域も企業に、地域の暖房システムの最適化、漏水検知、資産管理など価値ある革新的なサービスを提供しています。当プロジェクトには、お客さまとのコラボレーションのためのプラットフォームの提供、アジャイル開発の支援、さらに、Mälarenergi社の経営知識を活かし、ABB と Microsoft社の業界最高のテクノロジーとサービスを統合するための共創、分析作業が含まれます。
主な目的は、監視機能を1つの制御室に統合し、すべてのサービスの運用、最適化が一元化されることです。また、統一されたデータビューに基づくより良い投資計画など、その他の重要な利益を提供することです。これにより余剰資金の事業への再投資の道を開き、Mälarenergi 社のお客さまと市民にとって真に価値をもたらします。
ドイツでは、ABBはグリッドの信頼性の維持、しばしば変動が激しい分散型市場における需要への対応、最大限の電力利用を確実にすることに焦点を当てた新しいエネルギー管理システムの開発などを含む革新的なプロジェクト遂行に必要不可欠な企業です。
ABBは、マンハイムでは9000人以上の都市地区のエネルギー管理システムを構築し、トリーアでは風力発電や太陽光発電、バイオマス、熱と電力の組み合わせ (大規模な従来型とマイクロ CHP 共に)、水力タービン発電、廃水タービン発電、下水汚泥ガスプラント、蓄電池、EV充電インフラなど、自治体の複数の資産を統合し、デジタル化するソリューションを展開しています。
「ドイツ政府は、国中の都市の都会化に伴い出てくる問題に対処するために、いくつかのイニシアチブを打ち出しました」と、ABBドイツのエネルギー産業部門シニアヴァイスプレジデント マルクス・ジョンは述べています。
輸送事業によるCO2 排出量と大気汚染を減らすために、ABB はキール市 (ドイツ) と協力して e-モビリティ事業の可能性を広げています。計画された電力供給を行う電力網の安定性向上のために、電力網から電気自動車の間のエネルギーの流れを制御するための一貫した情報システムを備えたインテリジェントな蓄電システムを構築しています。
ABB は、スマートシティ向けにABB Ability™デジタルソリューションを提供している、産業の未来を描く先駆的技術のリーダーで、電力、水事業、石油・ガス、特殊化学品、主要製薬産業の企業パートナーの運用改善、持続可能な発展を支えてきた点において、比類ない経験を培っています。ABB は、統合的かつ安全なデジタルシステム、サービスおよびソリューションで、従来電源、再生可能電源、水施設、プロセス産業の自動化、最適化をサポートしています。
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、デジタル産業に包括的なオファリングを提供する先駆的技術のリーダーです。130年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、ABBは今日、全ての産業を網羅するABB Ability™デジタルプラットフォームを基盤として、エレクトリフィケーション、インダストリアル・オートメーション、モーションおよびロボティクス&ディスクリート・オートメーションのお客さま本位の4事業で、世界的にデジタル産業をリードしています。市場を牽引してきたABBのパワーグリッド事業は、2020年に日立製作所に事業譲渡します。ABBは世界100か国以上に約147,000人の従業員を擁しています。 www.abb.com