宇宙からの大気変動観測を支えるABBの技術

日本のいぶき2号(GOSAT-2)衛星に搭載されたABB製の光学機器は、大気中の温室効果ガスを測定するために使用され、気候変動に関する議論のための重要な情報を提供します。

GOSAT-2 ©Mitsubishi Electric
GOSAT-2 ©Mitsubishi Electric

何十年もの間、ABBは、大気中のガスを測定、分析して、科学者がその組成と進化をよりよく理解するのを助ける複雑な科学的機器を製造してきました。現在、ABBは、大気中に熱を籠らせ、地球表面温度の上昇をもたらしている温室効果ガスをより正確に測定するのに役立っています。

その一つの例として、日本の政府プロジェクトの一環として2018年10月に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星いぶき2号(GOSAT-2)に搭載されたABB干渉計が挙げられます。

GOSAT−2に搭載された干渉計のような例では、光スペクトル全体にわたる多数の点でエネルギー量を測定し、分析します(約10,000の異なる色がGOSAT−2上で識別可能です)。より重要なのは、これらの機器は、反射または透過光ビーム上に残された分子の痕跡を追跡することができるということです。吸収分光法と呼ばれるこの技術を用いて、産業分野の排出源からの放出を監視し、宇宙空間の高所からでさえ正確に定量化することができます。

ABB の干渉計
ABB の干渉計

「この技術は、農業における作物の健康を診断すること、天候を予測すること、汚染物質を発見すること、および太陽系外の生物が存在する惑星を探索することをはじめとする、無数の用途に向けて設計することができます」とこの干渉計が開発されたABBケベックの宇宙・防衛技術開発マネージャー、フレデリック・グランモンは述べています。

「GOSATミッションの最終目標は、温室効果ガスに対する我々の理解を確認することです」とグランモンは付け加えました。「放出はどこで起こっているのか、どこで吸収されているのか、気象パターンによって、これらがどのように世界中を移動しているのかを知りたいのです」

GOSAT-2衛星は、613kmの高度で1日15回地球を周回し、ABB製の干渉計を使用して、大気中の二酸化炭素、メタン、オゾン、水蒸気、一酸化炭素、二酸化窒素を10万回以上正確に測定します。軌道上の計器によって収集された大気データは、日本国立環境研究所(NIES)に転送されます。

次いで、NIESチームは、データをアーカイブし、両半球の温室効果ガス濃度を示す包括的なマップに落とし込みます。軌道からの観察で顕著なものの1つは、植物の成長する季節である春に、冬の間に蓄積した温室効果ガスの大部分が除去される様子を世界規模で目の当りにすることです。高密度に工業化された地域からの温室効果ガスの大量放出も軌道から観察することができます。

GOSAT-2温室効果ガスセンサの読み取り値は、現在、NIESチームによって検証されており、衛星からのデータを、飛行機またはバルーン内に設置した地上の計器による測定値とクロスチェックして、その高精度を確認しています。ABB の技術は、主要な大気変動を宇宙から観測するのに役立ちます。

GOSAT-2からの測定値は、気候科学のより良い理解に寄与する重要なデータを提供します。要するに、国際的な排出削減政策の策定へのより効果的なインプットとなります。国連の機関であるIPPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、温室効果ガス問題の状況を報告することを目的として、排出削減に関する国際条約交渉のための議論の基礎として、GOSATのデータを広範に活用しています。

温室効果ガスの連続的測定は、地球がどのように温室効果ガスを草、作物、および木に取り込み、貯蔵するかをよりよく定量化するために必要です。科学者が、これらの生物学的メカニズムをよりよく理解すれば、より改善された炭素排出軽減の手法に取り組むことができます。競争的環境における排出上限値規制、排出量取引などの対策の実施を可能にするために、様々な規模(国、都市、産業)での排出の継続的な測定もまた必要です。

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