ABB、ナイアガラの滝の観光船を電化

ナイアガラの滝のツアーを運営するメイドオブザミスト社は、米国初のフル電動で航行する2隻の新型旅客船にABBの技術を採用

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象徴的なナイアガラの滝を訪れる人々は、まもなく米国有数の自然遺産のひとつを排出ガスフリーで体験できるようになるでしょう。メイドオブザミスト社の新しい観光船は、大容量のバッテリパックを装備し、米国で初めて建造されるフル電動船となります。

今年後半に就航を予定しているこの新船は、ABBのゼロエミッション技術を活用します。観光船を利用する乗客は、従来のディーゼルエンジンの騒音、振動、排気ガスなどの影響を受けずにナイアガラの滝を体験することができます。

北米で最も古い観光アトラクションの1つであるメイドオブザミスト社のツアーは、4月から11月の初週まで運航し、30分ごとに乗船場を出発し、年間約1,600万人の乗客が利用します。

メイドオブザミスト社の社長クリストファー・グリン氏は、「米国で初めてフル電動フェリーを導入する船主となることを喜ばしく思います。より持続可能な運航を目指すわれわれを支援するパートナーとして、海運システム統合と持続可能な交通における効率的かつ革新的な技術の比類なき経験を持つABBを選びました」と述べました。"

「メイドオブザミスト社がeモビリティの導入に確固たる一歩を踏み出したことは、交通の未来における新しい時代の到来を告げるものです。そしてこの動きは、地球を消費することなく世界を支えるというABBのコミットメントとも合致しています」と、海運を含む幅広い産業のソリューションを提供するABBのインダストリアル・オートメーションビジネスのプレジデントであるピーター・ターウィッシュは述べています。「ナイアガラの滝での排出削減は、この大切な自然遺産にとって重要であるだけでなく、持続可能なモビリティを可能にする技術が、今日すでに利用可能であることを証明しています」

各船舶は、双胴船の船体に均等に分割された316kWhの総容量を有する一対のバッテリパックによって給電されます。2つの完全に独立した電力システムを搭載し、冗長性を生むことで、運航を維持できます。

船舶は、乗客が乗降する各ツアーの間に充電を行います。岸辺での充電にかかる時間はわずか7分です。バッテリから、合計400kW(563HP)の出力が可能な電気推進モータに電力を供給することができます。 電力は、ABBの統合された電力およびエネルギー管理システム(PEMS)によって制御され、これにより、船内のエネルギー使用を最適化します。

バッテリの充電は、米国最大の再生可能エネルギー源である水力発電を使用して行われます。この水力発電は、ユティリティスケールの発電の7%を占める規模です。再生可能エネルギーの地産地消により、メイドオブザミスト社の船の運航のためのエネルギーサイクルを完全に排出フリーにすることとなるでしょう。

船舶輸送は世界の温室効果ガス総排出量の2~3%を占めています。持続可能な交通は、気候変動との闘いにおいて重要な役割を果たします。国際海事機関(IMO)は、海運規制の責任を負う国連機関であり、2050年までに年間排出量を少なくとも2008年レベルから50%削減するという世界的な目標を設定しています。

ABBは、船舶と岸辺のバッテリ充電接続の統合に加えて、メイドオブザミスト社の新造船に、スイッチボード、ドライブ、統合制御システム、ならびに遠隔機器監視、予測保守のためのABB Ability™Marine Remote Diagnostic Systemを供給します。ABB Ability™は、ABBのデジタルソリューションおよびサービスのリーディングオファリングです。

 ABBについて ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、デジタル産業に包括的なオファリングを提供する先駆的技術のリーダーです。130年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、ABBは今日、全ての産業を網羅するABB Ability™デジタルプラットフォームを基盤として、エレクトリフィケーション、インダストリアル・オートメーション、モーションおよびロボティクス&ディスクリート・オートメーションのお客さま本位の4事業で、世界的にデジタル産業をリードしています。市場を牽引してきたABBのパワーグリッド事業は、2020年に日立製作所に事業譲渡します。ABBは世界100か国以上に約147,000人の従業員を擁しています。www.abb.com

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