YuMi®、ATMテストを自動化

協働型双腕ロボットYuMi®は、ATM(現金自動預払機)用ソフトウェアの開発をサポートするために何百時間もテストを実施し、信頼性と品質向上に貢献

ABBの革新的な産業用ロボットYuMi®は、最も複雑なタスクを極めて正確に処理する精度と未来の工場において人と一緒に安全に協業する柔軟さを有しています。そのポートフォリオに新しい役割となる、ATMテストが追加されます。

セキュリティの最新動向を把握し、入出金を安全かつ確実にするために、ATMは通常6か月ごとにソフトウェアの更新が適用されます。しかしながら、新しいコードをリリースする前に、信頼性、有用性およびセキュリティに関する厳格なグローバル規格とローカル規格に確実に準拠させるため、徹底的に繰り返しのテストを実施する必要があります。このテストは従来、手作業で行われ、多くの人為的ミスのリスクが伴い、人がATMの前で何百時間も過ごすことが要求されました。

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現在、YuMi® が稼動し、ATMソフトウェアテストの速度と精度は格段に向上しています。スイスにある決済ソフトウェアプロバイダAbrantix AGは、ABBのYuMi® を使用してDiebold NixdorfのATMテストを自動化させました。Abrantixのテスト環境ソフトウェアは、YuMi®に、まさに人のように、カード挿入、暗証番号入力、出金および入金などの一般的なATM操作をテストするように指示します。

スイス、チューリッヒにあるAbrantixグローバル本社で開発された双腕型YuMi®によるプロトタイプは、ATMソフトウェアテストのゲームチェンジャーです。このATMテストはYuMi®を使用することで徹底的に実施できます。例えば、クリップで束ねられた紙幣を挿入するなど、意図的に人為的ミスをするにようプログラムされ、ソフトウェアが様々な問題に対処できることを確認します。

「以前は、テストサイクルはボトルネックになり、リリースのクリティカルパスにおいてリスクにもなり得る可能性がありました。新しいYuMi®のソリューションにより、はるかに管理しやすくなりました。YuMi®がATMをテストしている間に、従業員はテストケースや手順の改善に集中できるようになり、新しいソフトウェア機能を開発することさえできるようになりました」とAbrantixのCEOであるDaniel Eckstein氏は述べました。

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日中、開発者は新しいATMソフトウェア機能を開発し、YuMi®で夜間に自動的にテストします。フィードバックは翌日チェックされ、試験者はより意味のあるタスクを行うことができます。

スイスのABBロボティクスビジネスラインマネージャーであるMarc-Andre Zinggは次のように述べました。「Abrantixが開発したATMテストシステムは、まさに当社のYuMi®が得意とする精密な協働作業プロセスです。YuMi®により、ロボットと作業者が安全に協働できることが保証されるだけでなく、Abrantixの熟練したソフトウェア開発者は、現在、より価値のあるほかの仕事へ専念できるようになりました。その間にYuMi®は、反復的ですが非常に重要なテストを1日24時間実施しています」

YuMi®が実施したゲームチェンジャーとなるATMテストは、ABBの協働型ロボットの幅広い機能を利用した最新のデモンストレーションです。YuMi®は本来、小型部品の組立作業用に設計されました。これは協働ロボットと(「コボット」とも)呼ばれ、製造者が今日の市場向けの柔軟な生産プロセスを設計することを実現します。YuMi®の正確で反復的な作業に取り組む疲れ知らずの能力は、「3D」と呼ばれる汚れた(Dirty)、退屈で(Dull)、危険を伴う(Dangerous)作業に活用されることで、人がより意味のある、専門的で知的な作業に集中できることに貢献します。

工場の外でYuMi®は、ルービックキューブを解いたり、寿司を握ったりすることで、その汎用性を証明しています。2017年にはイタリアのピサで開催されたコンサートでオーケストラを指揮し、著名なテノール歌手アンドレア・ボッチェリ氏と共演しました。

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