最も厳しい氷況下において優れた性能を発揮するAzipod®推進システムは、砕氷船向けには業界標準となり、北極海航路を単独で航行可能です。2019年8月、Azipod®推進システムは、ノルウェー沿岸警備隊の砕氷船を北極に到達させるという歴史的な偉業を成し遂げました。もうひとつの歴史的な発表としては、KV Svalbardは「地球の頂上」へ航海した最初のノルウェー船舶となりました。
2001年に建造され、出力5MWのAzipod®砕氷ユニット2つを装備するKV Svalbardは、ノルウェーの非営利研究財団Nansen Centerが主導する北極CAATEXと呼ばれる国際的な科学研究の一環として北極海を航行しました。
調査の目的は、科学者が北極海の水温を監視できる海底センサーを設置することでした。北極に到達したことで調査にもうひとつの局面を迎え、北極海の再奥地からデータ収集が可能になります。
「北極海を航行し、予想より早く北極に到達することができました」とノルウェー沿岸警備隊長のOttar Haugen氏は述べました。「これは、我々にとって重要な節目となり、我々が最も厳しい氷況下で北極まで到達できる堅牢な推進システムを装備した船舶をフリート内に有する証拠です」
Azipod®推進システムは、電気駆動モータが船外の海中ポッド内に格納され、操縦性を高めるために360度の操舵性を持っています。これは氷海を航行する船舶にとって特に重要です。Azipod®砕氷推進システムは、最大2.1mの厚さの氷を砕くことができ、従来のシャフト推進システムと比較して、最大20%まで燃料消費を削減できることが証明されています。
ABBは、推進出力最大45MWの砕氷船または耐氷船90隻以上の納入実績を有しています。Azipod®推進システムは1MWから22MWの出力レンジがあり、その技術は環境に優しい電気推進においてABBの強固な地位を確立する上で重要な役割を果たしてきました。
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、デジタル産業に包括的なオファリングを提供する先駆的技術のリーダーです。130年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、ABBは今日、全ての産業を網羅するABB Ability™デジタルプラットフォームを基盤として、エレクトリフィケーション、インダストリアル・オートメーション、モーションおよびロボティクス&ディスクリート・オートメーションのお客さま本位の4事業で、世界的にデジタル産業をリードしています。市場を牽引してきたABBのパワーグリッド事業は、2020年に日立製作所に事業譲渡します。ABBは世界100か国以上に約147,000人の従業員を擁しています。