ABBは、世界最大かつ技術的に最先端のダイヤモンド採掘船が、非常に優れた安全性、効率性、稼働率の要件を満たすことを確実にする統合電力システムパッケージを供給します。同船は、ルーマニアの黒海にあるダーメン・シップヤーズ・マンガリアでダーメンによって建造されています。受注金額は開示されていません。
総費用4億6,800万ドルのこの船舶は、海底ダイヤモンド産業において単一で最大となる投資です。海底からダイヤモンドを回収する技術である高度な海底クローリングを採用しています。この新造船は、2022年にナミビア共和国政府とデビアス・グループとの合弁会社であるデブマリン・ナミビアに引き渡されます。デビアス・グループは、ダイヤモンド原石の探鉱・採掘・マーケティングの優れたノウハウを有し、1888年来ダイヤモンド事業を発展させている世界有数のダイヤモンド生産企業です。
ナミビアは、世界で最も豊富で有名な海底ダイヤモンド鉱床を有し、デブマリン・ナミビアは、同国の南西海岸の水深90~150メートルにある最高品質のダイヤモンドを採掘しています。伝統的に、ナミビア沿岸の陸上では、ダイヤモンド採掘は露天鉱山で行われていますが、ナミビアの陸上産出量は15年後に枯渇すると予想され、海底採掘が増加しています。
新しい全長177メートル級の船舶は、ノルウェーの著名な船舶設計企業マリン・テクニックによって設計されました。これは、デブマリン・ナミビアにとって最大の船舶となり、同社が現在所有する最大の船舶であるMafutaを8,000トン(船体から排除した水量を基準とした船体重量)上回ります。これにより年間生産量が35%増加し、今日の生産水準にさらに500,000カラットがもたらされることが期待されています。
海底採掘の専門家は、以前にダブマリン・ナミビナの深海ダイヤモンド探査・サンプリング船、SS Nujoma (SSN)にABBの電力システムを搭載していました。
「高い信頼性、効率的なポジショニング、低燃料消費、安全な運航によるSSNの成功は、新しいダイヤモンド採掘船に同じシステムを選択する際に役立ちました。ABBの電力システムはソリューションの不可欠な部分です」とダブマリン・ナミビアの新造プロジェクトを率いるMichael Curtis氏は述べました。
最新のABB技術により、船舶は卓越した稼働時間を実現するでしょう。このソリューションには、発電、配電、可変速駆動電気推進システム用の高度なシステムに加えて、船舶の重要な制御プロセスをサポートする大規模なオンラインダブルコンバージョン海洋無停電電源装置(MUPS)が含まれ、重大な電力損失とダウンタイムのリスクを大幅に低減しています。ABBのMUPSは、高い可用性を実現するように設計され、海底から持ち上げられた堆積物を選別してダイヤモンドを抽出する海底クローラおよび処理プラントの船内制御システムの電源バックアップを確保しています。ABBの先進的かつ密接に統合された電力システムは、エンジン負荷の最適化、稼働時間および燃料コストの削減、およびメンテナンスの必要性の低減にも役立ちます。
「ABBは、先進的で複雑なカスタムメイド船にソリューションを提供できるリーディングテクノロジー企業として世界的に信頼されています。両社の画期的な新造プロジェクトの一環として、ABBと協力していくことを嬉しく思います」とダーメン・オフショア&トランスポートのマネージングディレクターであるMark Vermeulen氏は述べました。
「これは、高度な技術が満載された真に特別な船舶であり、最適なソリューションが正確な仕様で提供されることを保証するために、お客さまとの特に密接な関係を要求するプロジェクトです」とABBマリン&ポートのマネージングディレクターであるJuha Koskelaは述べました。「この先進的な船舶に携わるチームが、統合を通じて実現する効率性、安全性、および稼働時間の利点を認識していることを大変嬉しく思います。この成功は、ABBの電化、デジタル化、接続されたソリューションの増加する牽引力にふさわしく、ますます多くの種類の船舶と運用プロファイルに対応しています」
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex)は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、110,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com