ABBとIBMは本日、サイバーセキュリティと運用制御技術（OT）の連携に焦点を当てた協業を発表しました。このコラボレーションの最初の成果として、ABBは、ABBのプロセス制御システムのドメイン専門知識とIBMのセキュリティイベント監視ポートフォリオを組み合わせた新しいOTセキュリティイベント監視サービス 1 を開発し、産業事業者のセキュリティ向上に貢献しています。
産業用制御システム環境では、サイバー攻撃の標的となるケースが増えています。実際、IBMの最新のX-Force Threat Intelligence Indexによると、産業施設や製造施設への攻撃は2018年から2,000%以上増加していることがわかっています。
OTデータと、より広範なITセキュリティエコシステムとの連携を強化するために、ABBは、ABBからのセキュリティイベントをIBMのセキュリティ情報イベント管理プラットフォーム「QRadar」に送信できる新しいサービスを開発しました。
ABBのソリューションは、ABBとIBMが共同で開発したリファレンスアーキテクチャに基づいて設計されています。プロセス制御に関連するセキュリティインシデントに迅速に対応するために必要なドメイン知識を提供し、石油、ガス、化学、鉱業などの産業における複雑なプロセスに特に適しています。この統合を可能にする新しいイベント収集および転送ソフトウェアは、現在、アーリーアダプタのお客さまにご使用いただいており、数ヶ月後には一般的に利用できるようになる予定です。
このコラボレーションは、OTデータとプロセス業界の専門知識がセキュリティ情報イベント管理（SIEM）システムに直接持ち込まれた初めての試みであり、組織のより広範なサイバーセキュリティ運用および戦略の一環として脅威を管理できるようになります。
ABBのインダストリアル・オートメーションのサイバーセキュリティサービスのグローバルマネージャーであるロバート・プットマンは、次のように述べています。「ABBとIBMのコラボレーションにより、セキュリティと運用環境への影響を考慮したプロセス制御イベントの分析が可能になり、OTにおけるサイバー脅威の可視性が全面的に大幅に向上します」
サイバー攻撃や技術的な不具合による生産の中断は、生産機会の喪失や物理的資産の損傷という点でコストがかかります。ほとんどの一般的な運転監視は、電力用のガスタービン、鉱石の破砕に使用されるドライブシステム、または化学施設からの汚染出力の単純な監視など、その設備のパフォーマンスに注目しています。
ABBのこの新しい商品では、ABBのプロセス制御システムのデータ収集および転送技術により、ABBのプロセス制御システムからイベントログの詳細を収集し、その情報を自動的に、
また人工知能(AI)を使用して、セキュリティの異常と潜在的な脅威を特定するIBM Security QRadarと共有することが可能になります。
IBMの化学・石油・工業製品部門のCTO、Andreas Kühmichel博士は、次のように述べています。「これらのソリューションの統合は、OTセキュリティを単一の視点で見るために、市場をリードする機能を結集したものと考えています。より包括的なOTとITセキュリティの可視性により、お客さまは、セキュリティイベントが原因で生産が突然中断され、コストのかかるダウンタイムや企業の広範なリスクにつながるリスクを低減することができます」
このソリューションに含まれるABBとIBMの技術は、オープンプラットフォーム上で設計されており、エッジ上で動作し、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドにまたがるハイブリッドクラウド環境に容易に展開できるようになっています。ジョイントソリューションでは、セキュリティプロセスが自動化され、産業ワークフローを妨げないように設計されています。QRadarのセキュリティ分析は、ユースケースライブラリを介して動作します。ユースケースライブラリは、インシデントに自動的にフラグを立て、対応するアラームをトリガーします。
両社はOTセキュリティの分野での協力関係を継続し、この分野におけるお客さまの課題に対応する新たな機能やサービスを開発する予定です。
ABB（ABBN: SIX Swiss Ex）は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、110,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com
IBM Securityについて
IBM Securityは、エンタープライズ・セキュリティー製品とサービスを集結した最先端といわれるポートフォリオを提供します。世界的に有名なIBM® X-Forceの調査に裏付けられたポートフォリオにより、組織はリスクの管理、新たな脅威に対する備えを効率よく行うことができます。IBMは、セキュリティーの研究・開発、デリバリーを行う世界最大級の組織を運営し、130を超える国で毎日700億件以上ものセキュリティー・イベントを監視しています。また、世界中で保有するセキュリティー関連の特許は10,000件を超えています。詳しくは、https://www.ibm.com/jp-ja/security、Twitter（@IBMSecurity（英語））、またはIBMセキュリティー・インテリジェンス・ブログをご覧ください。
免責事項：IBMの将来の方向性および意図に関する記述は、予告なしに変更または撤回される場合があり、目標および目的のみを表しています。
1 . 当ソリューションは、現在アーリーアダプタのお客さまにご使用いただいており、数ヶ月後には一般的に利用できるようになる予定です。
