ABBロボットは世界最大の食品・飲料メーカーであるネスレを支援しています。ブラジルのチョコレート製造工場では、パレット積み付けの生産性を53%向上させるために、新しいABBパレタイジングロボットソリューションを使用しています。
同社は現在、ABBロボティクスのパレタイジングソリューションを使用していますが、今回の要件は、より狭い場所に収まり、他の施設でも容易に複製できる、よりコンパクトなセルでした。重要な要件の1つとして、パレット交換を迅速に行うためにはパレタイジングエリアに時々作業者が入る必要があり、その際に作業者とロボットがエリア内で安全に協働できることでした。ABBとネスレのエンジニアリングチームが共同開発したABBの新しいコンパクトなロボットパレタイジングセルは、吸着グリッパヘッドを備えたABB IRB 660ロボットを搭載しています。このロボットが製造ラインの端からパレットに箱を移動させ、それらを正確に積み付けてバランスの取れた荷重を確保します。同時にSafeMove技術により、ロボットと生産ラインの作業者間で安全かつ断続的な協働作業が可能になります。
「ネスレのような食品・飲料メーカーは、消費者の嗜好や需要の変化に対応できるようにするために、製造ラインのより高い柔軟性をますます必要としています。このシステムにより、従業員は製造拠点のロボットと断続的に協働作業ができるようになります。同時に、最高レベルの製品品質を維持しながら、より高いレベルの生産性と効率を要求しています」とABBロボティクス&ディスクリート・オートメーションのプレジデントであるサミ・アティヤは述べています。「SafeMoveのような協働ロボット技術は、これらすべての要件を実現するのに役立ち、大規模な安全策の必要性を減らすことによって、生産ラインのあらゆる場所のうち、より狭いスペースでも自動化をもたらすことができます 」
ABBのロボット監視ソフトウェアであるSafeMoveは、人が近づいた際に動きを検出し、ロボットの速度、動作、位置を制限します。これにより、大型の産業用ロボットは、安全柵、安全スイッチ、ドアおよびロックを必要とせずに、人と一緒に安全かつ確実に作業できます。
ネスレのカサパーヴァ工場では、安全柵の代わりにSafeMoveを採用した結果、ネスレ工場にある従来のABBセルと比較して、設置面積が約30~40%縮小できました。
この新設備が大きな成功を収めたため、現在ブラジルの他の3カ所のネスレ工場に設置され、13基のパレタイジングセルが既に稼働中であり、さらに複数の設置およびコミッショニングが進められています。契約の財務詳細は開示されていません。
ネスレのカサパーヴァ工場長であるMichey Piavantinha氏は次にように述べています。「ABBとのパートナーシップにより、当社の製造プロセスをより機敏かつ効率的にするソリューションを開発することができました。これにより、当社の製品がネスレブランドを成功させるのと同じ品質基準と卓越性を維持することができます」
完成したセルが設置前にどのように機能するかをお客さまに実証するために、ABBは、RobotStudio®ソフトウェアを使用して、ロボット運用のサイクルタイム表示を含む、仮想環境における完全なソリューションをシミュレートしました。これにより、実装時間が短縮され、立ち上げプロセスで発生し得る障害が回避されました。
ブラジルのネスレは中南米およびカナダ向け様々な菓子を供給し、同社のカサパーヴァ工場は南北アメリカ最大のネスレキットカット工場です。
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、105,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com