ABBは、スイスの鉄道車両メーカーであるシュタッドラーから、ドイツ北部の鉄道会社であるNahverkehrsverbund Schleswig-Holstein GmbH (NAH.SH)およびドイツ首都圏の鉄道会社であるBerliner Verkehrsbetriebe (BVG)向けに、エネルギー効率が高く持続可能な輸送を可能にする製品を受注しました。供給範囲には、エネルギー効率の高いトラクションコンバータおよび搭載型エネルギー貯蔵システムに基づく高出力リチウムイオンバッテリが含まれます。なお、受注金額の詳細は公表されていません。
ABBのトラクションディビジョンのプレジデントであるEdgar Kellerは、「シュタッドラードイツのパートナーとして選ばれたことを光栄に思うとともに、より持続可能な交通手段への移行の最前線にあるABBの革新的なトラクション装置への彼らの信頼に感謝します。当社のエネルギー貯蔵システムは、当社の高効率トラクションコンバータのポートフォリオを完璧に補完するものです。私たちは、強力なトラクションドメインのノウハウを備えたバッテリの分野で長年蓄積してきた専門知識を活用し、それをお客さまのための革新的なソリューションに変えることができるのです」と述べています。
ABBのトラクションコンバータとリチウムイオンベースのエネルギー貯蔵システムは、55台の新しいBEMU(バイモードエレクトリックマルチプルユニット)に搭載される予定で、これはBEMUとしては地域の交通機関であるNAH.SH.にとって、世界でも最大の受注となります。バッテリモジュールは、スイスのバーデンにあるABBの最先端の半自動化工場で生産され、ドイツのミンデンにあるトラクション工場でエネルギー貯蔵システムに組み込まれます。
この新型車両は、これまでディーゼル車両を使用していた最長80kmの非電化区間を含む、部分電化ネットワークで運行されます。固有の安全性レベルが高い高出力で長寿命のエネルギー貯蔵システムを使用することで、車両はより高い安全性に加えて、すべての運転モードで同じ性能を発揮します。電動化された区間やルート上の特定の場所で車両が走行している間にトラクションバッテリが充電されます。さらに、エネルギー貯蔵システムは、400Vまたは1,000Vのデポ電源で充電することができます。 ABB独自のトラクションコンバータアーキテクチャにより、すべての運転モードと充電モードが、AC エレクトリックマルチプルユニット(EMU: Electric Multiple Unit)列車に必要なパワーエレクトロニクス機器を追加することなく実現できます。
ベルリン市では、最新世代のトラクションコンバータがBVG向けの600両以上の新しい地下車両に搭載されます。30年前に製造された車両を、カスタマイズされたABBの技術を搭載した最新の車両に置き換えることで、より信頼性の高い効率的なサービスへのニーズに応え、増加する乗客数に対応することができます。ABBのトラクション技術は、シュタドラーがBVGに納入している既存の地下式IK型地下鉄車両で、すでに高い信頼性が実証されています。
ABBは、鉄道セクターに革新的でエネルギー効率の高い技術を鉄道分野に提供してきた長い歴史を有し、都市、都市間、高速ネットワークにおける鉄道インフラや車両用のコンポーネントやサブシステムの製造およびサービス提供を行っています。また、ABBは世界中の大規模な設置基盤に対して、メンテナンスや改修を含むライフサイクルサービスサポートを提供しています。
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、105,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com.