Skanska社、鉄筋結束のルールを書き換える

スウェーデンの Skanska社は、建設業界の大手企業として、トンネル、高速道路、空港などの主要施設の建設に豊富な経験を持っています。都市や交通機関の持続可能性を高めることが世界的に求められている中、より少ない資源、より少ない汚染で、迅速かつ効率的に建設することが優先されています。

Video courtesy of Robotdalen

Skanska社は、個々のプロジェクトの現場作業に重点を置いているため、建設プロセスをより安全に、より速く、より適応性のあるものにするための自動化の方法を検討してきました。

同社が検討している分野の一つに、コンクリート構造物を固定するための鉄筋のかごをロボットで製造するというものがあります。この作業はタイムクリティカルな作業であり、建設の本番が始まる前にすべての作業を終える必要があるため、この作業に要する時間がプロジェクトの期間に大きな影響を与えます。

ABBのロボットと、ABBのRobotStudioオフラインプログラミングおよびシミュレーションソフトウェアを使用した試験では、鉄筋ケージの製造工程の速度と効率を改善するという目標を達成しました。Skanska社は全体として、1トンあたり16時間かかっていた所要時間を、わずか1時間に短縮しました。

この基本的な部品の製造時間が大幅に短縮されることで鉄筋の工程に必要な前段階の時間が短縮され、プロジェクトのタイムスケジュールが大幅に改善されます。

もう一つの大きなメリットは、鉄筋の工程に関わる人の数を減らすことで、他の作業やプロジェクトに人を使えるようになることです。 これは、このような面倒で過酷な作業をしたいと思う労働者を見つけるのが難しくなっている中で、特に重要な要素です。

Skanska社のデザインマネジメント、イノベーションの責任者であり、元テクニカルディレクターのUlf Håkansson氏は、「安全性と自動化に関しては、多くの負傷者を出し、人がすべきでない作業をしているような特定の作業を自動化することが非常に重要です。鉄筋ケージの製作もその一つで、ロボットや自動化に最適で、このような方法で行えば、健康と安全を大きく向上させることができます」

「資源の危機は深刻です」

Skanska社では、効率性と鉄筋かごの建設にかかる時間の短縮に次いで、技能不足と資源不足が自動化施工を推進する重要な要因であると考えています。Håkansson氏は次のように述べています。「資源の危機は深刻です。私たちは、熟練労働者の不足という問題を解決するには、ロボットが重要なソリューションであると考えています。もう一つの要因は、若い人たちがこうした作業を手作業で行うことに興味を示さないことです」

建設の持続可能性は、Skanska社にとってもう一つの大きな課題です。「鉄筋ケージの自動製造では、スウェーデン国外からトラックや船でケージを輸入する必要がないため、輸送やそれに伴う汚染を最小限に抑えることができます」とHåkansson氏は言います。「スウェーデンの現場でロボットを使ってケージを作り、必要な場所まで短い距離をトラックで運ぶことができるのです」

「利益は初期費用よりもはるかに高いものになります」

自動化のコストを考えると、このルートに進むことを躊躇する企業もあるかもしれないが、Håkansson氏はそれだけの価値があると主張します。「自動化を導入するには、初期費用がかかりますが、その利益は初期費用よりもはるかに高いものになります。鉄筋ケージの場合、デジタルツインとして3Dモデルを作成しなければならないため、設計にはより多くの時間を割かなければなりませんでしたが、生産時間の短縮という点では何倍ものメリットがありました」

Skanska社は将来的に、仕事のある場所に赴くことができる、柔軟で移動可能な工場を目指しています。「私たちの仕事はプロジェクトベースなので、設置するのはテスラの工場のようにはいきません。現場に密着した空飛ぶ工場が必要です。 また、ロボットが移動可能で、動き回ることができ、ロボットがどこにあるかを知るためのセンサを備えている必要があります」

ロボットのメリット

  • 鉄筋ケージの製造時間をトン当たり16時間からトン当たり1時間に短縮
  • スキル不足の解消と労働者の健康と安全の向上につながる
  • 現地生産により、スウェーデン国外での鉄筋ケージの建設が不要になり、輸送や汚染が削減される

Skanska社の概要

  • 業務内容 住宅開発、商業施設開発などの建設およびプロジェクト開発
  • 北欧、欧州、米国で事業を展開
  • 従業員数 32,500人 (2020)
  • CEO: Anders Danielsson

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