ABBは、スイスの電力会社Axpo社と協力して、イタリアでモジュール式のグリーン水素製造プラントを開発しました。これは、手頃な価格のグリーン水素を製造するための最適な運用モデルを構築することを目的としています。
両社は、より安価なグリーン水素を提供するという共同のビジョンを達成するために、ABBのオートメーション、エレクトリフィケーション、および産業オペレーションにおけるデジタルリーダーシップと、Axpo社の確立されたエネルギープロバイダとしての経験を活かして、相互補完的なスキルを活用していきます。
初期の作業には、標準化、モジュール化、グリーン水素の効率的かつ柔軟な生産をサポートする相乗効果を特定することを目的として、運用コストを削減し、二酸化炭素排出量を確実に削減する方法を探るフィージビリティスタディが含まれます。
現在、グリーン水素の導入には製造コストが大きな障壁となっています。 再生可能エネルギーのみで製造されるグリーン水素は、化石燃料をエネルギー源として製造されるグレー水素の約6倍、ハイブリッドのブルー水素の約2〜3倍の価格となっています*。
ABBのプロセスオートメーションビジネスエリアのプレジデントであるピーター・ターウィッシュは次のように述べています。「テクノロジーパートナーとして、私たちは最大の違いを生み出すことができる分野に焦点を当てています。今回のプロジェクトでは、当社のオートメーション技術、電気技術、デジタル技術、そして専門知識を活用して、グリーン水素の製造にかかるトータルコストを最小化することを目指しています。これは、グリーン水素の可能性を引き出し、将来的に広く普及させるために不可欠なことです」
イタリアのAxpo 社、オリジネーション&ビジネスディベロップメント責任者の Simone Rodolfi氏は次のようにコメントしています。「当社は、エネルギー転換を促進する戦略の一環として、グリーン水素の可能性を追求することに全力を注いでいます。近年、Axpo社とABBは多くの協力関係を築いてきましたが、本日の合意はその関係を強化し、両社がこの有望な分野で重要なプレーヤーになることを可能にします」と述べています。
このプロジェクトは、低炭素な未来のために回復力のある水素のエコシステムを構築するために、お客さまやパートナーと力を合わせて機会と技術を探求するABBの幅広いイニシアチブを反映しています。Axpo社とのコラボレーションに加えて、ABBはLhyfe社と協力して、フランスで最初のグリーン水素プロジェクトの生産を自動化するための制御ソリューションを導入しています。
ABBは、アジア太平洋地域において、オーストラリアで水素を安全かつ効率的に生産し、日本に輸送することを目指す水素エネルギーサプライチェーン(HESC)プロジェクトを世界初の水素液化・輸送実用化プロジェクトとして支援しています。
また、Hydrogen Optimized社と共同で、大規模なグリーン水素製造システムにおける高電流水電解技術の使用をサポートする統合ソリューションを開発しており、化学、ユーティリティ、輸送の各分野で応用されています。
ABBとAxpo社は長い協働の伝統を持ち、共に成功を収めてきました。ABBのソリューションは、効率的で安全かつ持続可能な方法でエネルギーを創造し、提供するために重要な役割を果たしています。最新のプロジェクトでは、ABB Ability™ スマートセンサとABB Ability™ コンディションモニタリングを導入し、スイスにあるAxpo社の水力発電所のモータを、ワイヤレスで監視できるスマートな装置に変えました。さらに、Axpo社は、同社のイタリアの発電所のデジタル化をサポートするために、ABB Ability™ コンディションモニタリングソリューションを選択しました。
Axpo社は、スイス最大の再生可能エネルギーの生産者であり、エネルギー取引や太陽光、風力発電のマーケティングにおける国際的なリーダーです。同社の5,000人の従業員は、経験と専門知識、そして革新への情熱を兼ね備えています。Axpo社は、欧州、北米、アジアの40カ国で、最先端の技術に基づいて、顧客向けの革新的なエネルギー ソリューションを開発しています。
ABB(ABBN: SIX Swiss Ex)は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、105,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com
*「グリーン水素のコスト削減:1.5℃ 気候目標を達成するために電解槽をスケールアップ」 (irena.org)