ABBのRelionリレーがエネル社の配電事業の効率化と自動化に貢献

ABBはペルーの首都リマにある多国籍電力会社エネル(Enel)社の事業を支援するために、500台超のRelion®保護・制御リレーを納入しました。納入されたのはRelion製品ファミリーのフィーダ保護用611シリーズREF611および柔軟性の高いオールインワン保護リレーREX640です。保護リレーは電力システムに障害が発生した場合でも、信頼性の高い安全な配電を保証します。

これらの新しいリレーはデジタル時代にふさわしく、エネル社の配電変電所で以前から使用されている従来のリレーに取って代わるものです。変電所の保護だけでなく機器は他の重要な利点も提供し、エネル社の事業の自動化において大きな進歩を遂げるのに貢献します。

停電時の迅速な対応

Relionリレーは停電の頻度と時間を削減するのに役立ちます。これらのリレーは多機能な機器であるため、通信・制御プロセスの効率化も可能です。

REF611リレーは保護機能に加えて、一次側スイッチング機器の遠隔制御機能を備えており、IEC61850規格により、配電変電所からコントロールセンタにリアルタイムで情報を送信するとともに、相互に情報を共有できます。IEC61850に基づく通信システムは、柔軟性と制御性の向上、高速動作性、高精度計測、および規格に準拠した機器間の相互運用性を実現します。

「リレーに搭載されている通信プロトコルにより、データをリアルタイムで取得できるようになりました」と、ABBペルーのエレクトリフィケーション プロダクトマーケティングスペシャリストであるHerbert Molinaは述べています。「さらに、これらのリレーは一次側スイッチング機器を遠隔制御できるため、ネットワーク障害が発生した場合、電力系統の再構成をより迅速に行えます」

エネル社にとって、これは障害が発生した場合に機器に関する情報を収集するために変電所に人員を派遣する必要がなくなるため、運用効率が向上することを意味します。Molinaによると、エネル社がネットワークの障害部分を切離すのに通常要する時間は、これらのリレーを使用することで約20%短縮されます。「これはエネルギー供給の迅速な回復を保証するので、リマのエンドユーザにとって直接的なメリットを意味します」

強化された通信機能

REX640リレーはデジタル変電所での使用を想定して設計されています。「このタイプの変電所への移行がお客さまのアップグレード計画で予定されている場合、デジタル時代に備えてデフォルトで準備されているREX640リレーは良い選択肢です」とMolinaは説明します。

リレーは情報を交換し、互いに通信することができ、プロセスネットワークとステーションネットワークを分離するための独立した冗長性のある通信ポートを備えています。通信はGOOSE（Generic Object Oriented Substation Event）およびSMV（Sampled Measured Values）メッセージングシステムを用いてデジタルで実行され、エネル社の変電所に設置されているリレーによって実行される操作をより安全にします。「これらのリレーは自身または他のIEC61850準拠機器の間で、警告、ステータス、電圧の有無などの必要な情報を読み取り、交換できます」とMolinaは述べています。

さらに、AndroidおよびiOSに対応したRXploreモバイルアプリケーションはリレーに登録されたイベントや設定に関する情報の更新、ダウンロード、共有を可能にし、機器へのアクセスを簡略化および安全にできます。

お客さまの声

エネル社のメンテナンスマネージャーであるPaul García氏は、REX640リレーの特徴として7インチのカラータッチスクリーンにより、オペレータと機器とのより良い相互作用を挙げています。「REX640リレーの利点は、測定値、イベント、および信号のより良好な視覚化を可能にする大型カラースクリーンがあることです」

システム内の機器設定からトレーニングまで、プロセス全体におけるABBのサポートはお客さまの期待を上回るものでした。「ABBが提供するサービスは貴重です。当社を全面的にサポートし、必要なすべての情報を提供してくれました」とエネル社のパワーシステムアナリストであるGian Pier Huari氏は述べています。

ABBのデジタル変電所についての詳細はgo.abb/digitalsubstations[EN]をご覧ください。