中国におけるデジタル経済変革の継続的な進展、新世代の通信技術の適用およびIoTの実装により、過去5年間におけるラック市場の平均年間成長率は30%に達しています。
中国東部の高度な大規模データセンターであるCentrin Data Systems Kunshan Jinqiao Data Centerは、大手インターネット企業向けにデータセンタの運用・保守サービスを提供しています。2020年、同社のKunshan Data Centerは、中華人民共和国工業情報化部の国家新型工業モデル基地(National New Industrial Demonstration Bases)に含まれ、Uptime InstituteからTier IV設計認定を取得しました。この施設は少なくとも25,600台のハイスペックデータセンタラックを潜在顧客に提供する予定です。
データセンタのコンピュータルーム向けに、ABBは電源要件を満たすデジタルソリューションを開発しました。このソリューションには高電圧(MV)開閉装置UniGear ZS1が含まれ、Relion®保護リレー付きスイッチギアパネル間の高度なIEC61850規格のデジタル通信を含む汎用変電イベント(GOOSE:Generic Object Oriented Substation Events)通信対応自動スイッチングソリューションが搭載されています。
コンピュータルームの建設はデータセンタにとって重要な戦略的プロジェクトであり、216MVのスイッチギアパネルを短納期で供給することが要求されました。高い技術力と専門知識を有するABBは、パネル幅500mmのUniGear ZS1スイッチギアを含む革新的なソリューションをお客さまに提供し、これにより設置面積を約25%削減しました。また、工場で事前に組立てられたパネル2枚を納入することで、現場での設置時間を大幅に短縮できました。
このプロジェクトには、ABBのプログラマブルロジックコントローラ(PLC)とIEC61850規格のデジタル通信およびGOOSEメッセージング用のRelion®615シリーズ保護リレーを搭載した高度な自動スイッチングソリューションが含まれていました。数百本の制御ケーブルを敷設する必要がある従来のソリューションと比較して、新しいデジタルアプローチは80%以上の試運転時間だけでなく、現場における配線作業も削減しました。お客さまとの密接な連携により、プロジェクトの納期は40%短縮されました。
「ABBの大きな貢献と専門知識は、Centrin Data Systems社に深い感銘を与えました。プロジェクト遂行中、ABBはすべての事業部門と積極的に調整し、あらゆる課題を克服しました。ABB技術者の優秀で専門的なスキルは、本プロジェクトの円滑かつタイムリーな電力供給を保証するための強力なサポートを提供しました。本プロジェクトの成功を収めた協力は、Centrin Data Systems社とABB間の将来の協業に向けた強固な基盤を築くものです」とCentrin Data Systems Kunshan Jinqiao Data CenterのプレジデントであるYang Yu氏は述べています。
中国のディストリビューションソリューションのローカルディビジョンマネージャーであるJames Zhaoは次のように述べています。「ABBは中国において、統合型でモジュール式のカスタマイズされた配電システムを提供するリーダーシップを確立しました。ABBの深い産業洞察力、豊富なエンジニアリング経験、先進的なR&D能力は、中国市場に適しています。健全なプロセス管理およびリーン生産により、ABBはデータセンタアプリケーションのためのより迅速かつ信頼性の高いソリューションを提供できます。今後ABBは、お客さまの配電インフラの信頼性とインテリジェンスレベルを向上させ、運用コストを削減し、持続可能な開発の達成に貢献する技術革新とデジタルソリューションを通じて、市場地位を強化してまいります」
データセンタは安全かつ安定した電源を確保することが重要です。ABBは革新的な技術をもって、中国におけるデータセンタ市場の最前線に立ち、BaiduやCDNのような大手インターネット企業や、Wangsuのようなエッジコンピューティング企業と協力して、カスタマイズされた多様な要件を完全に満たし、持続可能で高性能な産業用データセンタを継続的に提供しています。