ABBとTenova、大型電気炉(EAF)向け革新的な原料装入・溶解・電磁撹拌ソリューションの最終検収完了

ABBとTenova、大型電気炉(EAF)向け革新的な原料装入・溶解・電磁撹拌ソリューションの最終検収完了

  •  イタリアの鉄鋼メーカーAcciaieria Arvedi社にて、出銑量300トンという記録的な溶解設備が稼働中
  •  Tenova社のConsteel® EAF連続スクラップ装入装置は、ABBとTenova社がABBのArcSave®電磁撹拌技術をベースにEAF連続装入用として共同開発したConsteerrer®によって補完される
  •  電磁撹拌装置の適用により、生産性の5%向上、電気エネルギー消費量の6%削減を実現
  •  さらに、炉の操業や原料配合の柔軟性が向上し、金属装入物の歩留まりを大幅に改善

金属産業のリーディングサプライヤであるABBとTenova社は、世界最高水準の歩留り率を誇るEAFに最適な装入・溶融・電磁撹拌を可能にする革新的技術パッケージを提供に関し、この度、お客さまのAcciaieria Arvedi社の最終検収を完了しました。このパワフルなソリューションは、Tenova Consteel® EAF連続スクラップ装入装置と、定評あるABB ArcSave®電磁撹拌をEAF連続装入用として特別に設計したConsteerrer®を組み合わせたものです。

この記録的な電気炉は300トンの出銑量があり、HBI(Hot Briquetted Iron:熱間成形鉄)を含む混合装入物を溶解します。これは、同工場の連続式エンドレスストリップ生産(Arvedi-ESP)鋳造・圧延機ラインの刷新に伴う増産需要に対応するために設置されたものです。

Acciaieria Arvedi社に納入したABBとTenovaの革新的なEAF向け原料装入・溶解・電磁撹拌ソリューション
Acciaieria Arvedi社に納入したABBとTenovaの革新的なEAF向け原料装入・溶解・電磁撹拌ソリューション
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「Tenova、ABBとArvediの技術者、現場担当者の緊密な連携と、この世界的なプロジェクトにおける両チームの素晴らしい努力に本当に感謝しています。我々の技術が、鉄鋼業界の先駆者であるAcciaieria Arvedi社のビジョンに貢献していることを大変誇りに思います」とTenova社のシニアバイスプレジデントであるSilvio Reali氏は述べています。

「金属産業は、ネット・ゼロの世界への移行に不可欠な存在です。この画期的なプロジェクトで協働することにより、Acciaieria Arvediが最も持続可能で効率的、かつ最新の鉄鋼事業を行うことができるようになるでしょう」と、ABBの冶金製品部門グローバルセールスマネージャーであるZaeim Mehrabanは述べています。

「すでにArvediの特許技術に基づく最新プラントでは、生産性、技術、環境、安全などの目標を達成しつつあります。パートナーであるTenovaやABBとの協力により、溶解側でも重要な成果を上げることができました」と、Acciaieria Arvedi社のR&DディレクターであるAndrea Bianchi氏は述べています。「お客さまのために一つのEAFから高品質の鉄鋼を最大量生産し、資源と使用するエネルギーを削減し、CO₂排出を最小限に抑えることができることを示しているのです」

Acciaieria Arvedi社は、2008年に供給されたプラントを強化するために、2018年にTenova Consteel® EAFを再度採用しました。最近改良された連続鋳造・圧延ラインの高い生産性に適合するように建設された新しい設備は、特にEAFプロセスで戦略的に重要な金属の混合装入に関連して、生産性と運転の柔軟性を高めるという要望を考慮しています。

入念な設備設計と運用実績は、技術の信頼性と環境負荷を最小限に抑えた安全な鉄鋼生産へのアプローチが有効であることを示しています。新しい電気炉は直径9.1メートルで、Consteel®コンベアと最新世代のTenova注入システムによって連続的に供給されます。ABB、Arvedi、Tenovaの3社が共同で設計したConsteerrer®システムをプロジェクトの当初から組み込んでいることからもわかるように、先進的で革新的な技術を持つ工場であることがわかります。

Consteerrer®の核となるのは、特許を取得した独自の非接触型電磁撹拌技術で、さまざまな冶金的改善をもたらすことが繰り返し示されています。操業の結果、Consteerrer®電磁撹拌システムによって様々なプロセス改善が行われ、Acciaieria Arvedi社のEAFの生産性、エネルギー効率、資源効率が向上したことが確認されました。その結果、タップ温度は18℃低減し、電力消費量は3.6%削減され、年間38,000トンのCO₂排出量を削減することができました。EAFの生産性は5%向上し、EAF鋼の最終的な酸素含有量は17%減少しています。また、スクラップ歩留まりの向上、電極使用量の削減、耐火物の消耗低減、スラグの持ち帰り低減、加工の安定化、最終タップ条件の制御が容易になるなどのメリットもあります。

ソリューションの詳細については、以下をご覧ください。

Consteel® 連続装入装置 (Tenova)

電気炉用電磁撹拌装置ArcSave (ABB)

ABB ArcSaveの日本語ページはこちらをご覧ください。

ABB (ABBN: SIX Swiss Ex)は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、105,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com

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