- 大手多国籍エネルギー企業エネルがABBのSF6フリーSafePlus AirPlus™リングメインユニットを設置
- ABBはエネルの要件を満たす従来品よりガス圧が低い24kVソリューションを設計
- 安全性の向上と信頼性・可用性の確保を図ると同時に、絶縁ガスの地球温暖化係数をほぼ100%削減
エネル・グローバル・インフラストラクチャー&ネットワークスは、エネルの要件に合わせて特別に設計されたABBの革新的なSF6フリーリングメインユニット(RMU)の設置により、イタリアとスペインのネットワーク全体で温室効果ガス排出量を削減し、信頼性が高く持続可能な電力の提供を開始します。
ABBのガス圧が低い24kVソリューションは従来のSF6ソリューションと同じ設置面積、安全性、信頼性を備えているため、このプロジェクトは、より一層持続可能な電力系統の実現に向けた重要な一歩となるものです。この試験設置では、イタリアとスペインにあるエネルの二次変電所に新しいABB SafePlus AirPlus™ 高圧(MV)RMU20台を設置し、スイッチギア運用とメンテナンスを作業者にとってより安全にしながら、地球温暖化係数を最小限に抑えることに貢献します。
MV二次変電所で広く使用されているガス絶縁スイッチギアには、従来SF6が使用されています。SF6は優れた誘電性とアークに対する消弧性を有しますが、同時に地球温暖化係数がCO2の23,500倍と世界で最も強力な温室効果ガスであることも指摘されています。
ABBのecoGISファミリーの1つである新しいSafePlus AirPlusは、SF6代替ガス用に最適化された革新的なロードブレークスイッチ(LBS)を搭載しています。従来の代替ガスとは異なり、このスイッチはパッファ式インタラプタ技術に基づいており、最大限の安全性を実現するために負荷遮断スイッチと断路スイッチの両方として機能します。ABBのSafePlus AirPlusは相対圧力0.5barの低圧設計で、漏電や電気アークによる事故のリスクを低減し、高圧の代替ガスを直ちに停止する必要がある異常なガス漏れの場合でも、非常に安全に動作できるようにします。したがって、万が一漏電が発生した場合でも、環境に優しいSF6代替ガスであるAirPlusに基づくABBの低圧設計により、ネットワークの最高の可用性と信頼性が保証されます。
ABBディストリビューションソリューションズのディビジョンプレジデントであるAlessandro Palinは次のように述べています。「世界初のSF6フリーのSafePlus AirPlus™リングメインユニットの設置は、ABBがお客さまとのパートナーシップのもと、地球と社会にとってより良い持続可能なソリューションの創出に取り組む新たな例です。EUの最新の改正案など、新規設備におけるSF6の完全な使用禁止に関する政治的議論が続いていますが、今回の設置は、実質的に既存品と同じ実証済みの利点を提供するSF6フリー代替ガスにより、より確実な未来への移行が可能であり、今すぐ実現可能であることを証明します」
「ネットゼロの目標を達成するためには、サステナビリティを現在および将来のビジネスの中核に据える必要があります。このためエネルでは、すでに導入している技術的・経済的なパラメータに加え、持続可能な仕様を含む、新しい原則をすべてのプロセスに組み込み始めました」とエネルのエネル・グローバル・インフラストラクチャー&ネットワークス部門のエンジニアリング&建設責任者であるFrancesco Amadei氏は述べています。「ABBのような革新的なパートナーとの協力は、世界中で持続可能な電力系統の提供を加速するための鍵となります。これは、バリューチェーンのすべてのコンポーネントと資産を含める必要がある困難な道です。ABBのSF6フリー技術のような革新的なソリューションは、地球温暖化の影響を最小限に抑え、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」へのコミットメントを支援するものです。また、当社のネットワークの安全性と信頼性を高め、お客さまへの電力供給の継続性と品質を確保することにも役立つでしょう」
ABB ecoGIS技術がどのように5年以上にわたってお客さまサポートしてきたかについての詳細は、ABBのウェブサイト[英語]をご覧ください。またエネルについての詳細はこちら[英語]をご覧ください。
ABB (ABBN: SIX Swiss Ex) は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業です。ソフトウェアをエレクトリフィケーション、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに結びつけることで、ABBはテクノロジーの限界を押し広げ、パフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。130年以上にわたる卓越した歴史を持つABBの成功は、100カ国以上、105,000人の才気あふれる従業員によって支えられています。 www.abb.com
ABBエレクトリフィケーションは、エレクトリフィケーション製品とソリューションのグローバルリーダーであり、世界100 カ国以上で事業を展開し、200 以上の製造拠点を有しています。50,000人以上の従業員が、安全でスマートかつ持続可能なエレクトリフィケーションソリューションを提供することで、人々の生活、つながり、仕事のあり方を変革するために尽力しています。私たちは、エレクトリフィケーションの未来のトレンドを形成し、技術とデジタルの革新によって差別化を図るとともに、ユーティリティ、産業、建築、インフラ、モビリティの各分野のお客さまに卓越したオペレーションによる体験を提供しています。 https://go.abb/electrification
エネルは今年創立60周年を迎える多国籍電力会社であり、世界の電力・再生可能エネルギー市場における主要な統合オペレータです。世界レベルでは、再生可能エネルギーの民間事業者としては最大、エンドユーザ数では最大のネットワークオペレータであり、顧客数では最大の小売オペレータです。グループは世界的なデマンドレスポンスのリーダーであり、通常EBITDA1では欧州最大の電力会社です。エネルは世界30カ国で事業を展開し、総容量90GW以上でエネルギーを生産しています。エネルは220万km以上のネットワークを介して7,500万を超えるエンドユーザに電力を供給しています。グループは約7,000万の家庭や企業にエネルギーを供給しています。エネルの再生可能エネルギー部門であるエネル・グリーン・パワーは総容量54GW超の風力、太陽光、地熱、水力などの電源構成と、欧州、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアに設置されたエネルギー貯蔵施設を有しています。エネルのグローバル先進エネルギーサービス事業部門であるエネル・エックス・グローバル・リテールは、全世界で総容量約6.6GWのデマンドレスポンスを管理し、59MWのビハインド・ザ・メーター貯蔵を設置しています。さらに、エネル・エックス・ウェイは、Eモビリティに完全に特化したグループの新しいグローバル事業部門であり、直接および相互運用契約を通じて、世界中で約350,000の公共および民間のEV充電ポイントを管理しています。
1異なる分野におけるエネルのリーダーシップは、競合他社の2020年度データとの比較によって定義さています。公営事業者は含まれません。