ABBが公式充電パートナーを務めるABB FIAフォーミュラE世界選手権、新時代を迎える

ABBが公式充電パートナーを務めるABB FIAフォーミュラE世界選手権、新時代を迎える

ABBフォーミュラEのGen3マシン投入で、最も過酷な環境下のレースで検証される実証済みのテクノロジー。

100回のレース開催実績を誇り、フル電動モータースポーツシリーズのパイオニアとして認められているABB FIAフォーミュラE世界選手権は、第9シーズンを慣れ親しんだ雰囲気で開幕すると予想されていたかもしれません。しかし、12月にスペインのバレンシアで行われたプレシーズンテスト走行でそうとは言い切れないことが明らかになりました。

リカルド・トルモ・サーキットで行われた4日間のテストでは、ドライバーは全てのレースシミュレーションを含む5,128周、17,300 kmを走行し、ルール改定および主要部品サプライヤが大幅変更された世界各国を走行することとなる、新世代のマシンが披露されました。タイヤから近未来的な新マシンの大胆な塗装スキームに至るまで、その変更は、新たなアプローチによる刺激と大きな挑戦を予感させるものです。

center

ドライバーのチーム変更、新規参戦や新しい開催地など決定的な要因は予測できるものの、Gen3マシンの登場によって、シーズン9は「予測不能」をもたらしています。

前マシンよりもパワーアップ、軽量化、高効率を実現した待望の新型マシンの導入は、全チームが指定されたプラットフォームからスタートするため、競争環境を平準化することになります。しかし、プレシーズンテストでは、序盤戦の過密スケジュールで有利な成績を収めたチームが、チャンピオンシップ獲得のアドバンテージを獲得できる可能性が示唆されていました。

center

全チームに共通する特筆すべき点は、シリーズを文字通り活性化させる力としてのABBの役割です。2023年シーズンの16戦を通して、ABBはフォーミュラEの公式充電パートナーとなり、全11チームのバッテリを各練習と予選セッションの前、そして最も重要なレース前に充電する役割を担います。

このタスクを達成するために、ABBは、世界中を飛び回るシリーズの要求を満たすために不可欠な信頼性、小型化、軽量化を優先したコンパクトなユニットでDC急速充電を実現する新しいハードウェアを開発しました。最大160kWの電力を供給できる新しい充電器は、マシン2台を同時充電できるため、レース間に車両とサポートギアを輸送する際の貨物の負荷が軽減されます。

ABB E-モビリティのCEOであるフランク・ミューロンは次のように述べています。「e-モビリティにおける最大の国際舞台であるABB FIAフォーミュラE世界選手権に当社の革新的な充電ソリューションを提供できることを嬉しく思います。また、このシリーズをより持続可能な新技術のテストベッドとして活用する取り組みを継続してまいります。「得た経験と知識により、お客さまや消費者の使用に適したABB充電器の継続的な改善に努めてまいります」

center

バレンシアで蓄積された走行距離は、Gen3マシンの概念実証となり、公道での初走行での信頼性とペースを実証しました。シーズンを通して使用される市街地コースの条件はマシンにとってより厳しいものになる可能性がありますが、当初の印象は明らかに楽観的なものでした。

「長い4日間のテストでしたが、大成功を収めたと思います」と、シーズン9でマヒンドラレーシングチームから参戦するABBアンバサダーのルーカス・ディ・グラッシは述べています。「マシンの信頼性に関する問題はほとんどなく、多くのラップやレースシミュレーションを行うことができたので、非常に満足しています。Gen3についても理解しつつあり、それが一番重要なことです」

center

予想通り、各チームが適応・発展していかなければならない課題も浮上しました。サプライヤ1年目のハンコックが提供するタイヤは、設計上、従来のゴムよりも寿命が長いため、ドライバーはその特性を習得するために苦労するでしょう。また、車両の回生能力も大幅に向上しています。リアの350kWに加えて、フロントアクスルに250kWのパワートレインが追加されたことで、レースで消費される総エネルギーの40%は回生から得られると見込まれています。

Gen3では、最高速度が200mphからさらに高速化されたことに加え、ドライバーは、これまで慣れ親しんだコーナーでの新しいブレーキングポイントを学ぶことが要求されます。そのため、より接戦なレース展開とより多様な勝者を通じて、ファンにとってさらなるエンターテインメントをもたらすでしょう。

center

今回のアップグレードと、レース距離を周回数で規定するなどのルール改定は、レース計画とエネルギー管理戦略へのドライバーの取り組み方法を確実に変えるでしょう。さらに、新しいレース開催地は、さらなる未知数をもたらします。ABBフォーミュラE世界選手権の開催は、2月にインドのハイデラバード、南アフリカのケープタウン、3月にはブラジルのサンパウロに拡大します。2023年の米国での開催は西へ移動し、近年のニューヨーク市のから6月にオレゴン州ポートランドで開催されます。

バレンシアでのテストを終えたチームとドライバーは、1月14日にメキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開幕戦に臨み、その2週間後にサウジアラビアのディルイーヤへ続く過密カレンダーを開始します。チャンピオンシップは、7月にロンドンで開催されるダブルヘッダーレースで全16ラウンドのスケジュールを締めくくります。

また、レースウィークエンドには、ABBグローバルのソーシャルメディアチャンネルでライブ中継をご覧いただけます。 

リンク

お問い合わせ先

ダウンロード

記事を共有する

Facebook LinkedIn X WhatsApp