板幅計/エッジセンサ/ミルメイトストリップスキャナ

鉄・銅・アルミ・ステンレス鋼板向け

スチール、アルミニウム、銅の鋼板製造の圧延工程だけでなくプロセスラインにおいても一貫した品質、高品質を実現するために様々な測定器での測定、更には制御装置が使用されています。ストリップのポジションは重要な測定パラメータの1つです。ストリップのポジションが正確に測定されないと、誤った推測に基づいて処理され次工程へと進むことになります。これは端部で形状が損なわれ最終製品の品質が悪くなるだけでなく、板破断さえも発生させ歩留まりの悪化を招きます。これら品質や生産性の向上に一役買うのがミルメイトストリップスキャナシステム(板幅計システム)です。

製品概要

  • ABBの板幅計は、測定原理にPEC(パルス渦電流)方式を採用しております。
  • パルス渦電流方式は、非接触かつ外的要因を受けず正確なストリップポジション測定を行い、安定した測定を実現いたします。なによりも測定方式が放射線を使用した原理ではなく、微弱な磁界を使用するため、放射線を使用するための特別な資格は必要なく人体にも全く影響なくご使用が可能です。また光学式とも異なるため、過酷な圧延の環境下における高温、蒸気、ダスト、振動、クーラント等の影響を全くうけることなく測定が可能です。また、使用するうえで上必要なものは計装空気および電源のみ、かつコイル毎の材質による設定変更や頻繁な校正作業が不要なため、ランニングコストの低減に貢献いたします。
  • パルス渦電流方式は、1992年に製品実用化され発売されました。その後納入実績を確実に増やしていき、冷間圧延機、酸洗、焼鈍、亜鉛メッキラインなど様々なプロセスラインにおいて使用されております。エッジ位置、ストリップ幅を非接触で連続的に測定することでストリップの品質向上及び生産性改善に貢献しております。

ABB株式会社 計測・分析機器事業部

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PEC(パルス渦電流)方式について

フェーズ1 : 透過

  • センサ内部にあるコイルに電流が流れることにより電磁場が発生します。

  (この電流はon/offを繰り返します。)

  • 発生した電磁場の“エネルギー“が測定板および測定板とセンサ間の空間(エアギャップ)に蓄えられる。

フェーズ2:測定板の位置計測

  • コイルに流れる電流が遮断されると、すぐに測定板とセンサ間の空間(エアギャップ)に蓄えられたエネルギーがセンサの2次側コイルに放出(レスポンス)されます。
  • エアギャップからのレスポンスされるエネルギーは下記によります。
  • 測定板の位置(⇔)
  • センサと測定板の距離(⇕)

フェーズ3:材質補正

  • コイルに流れる電流が遮断されると、測定板からのエネルギーのレスポンスがあります。これは測定板の材質に依存しません。
  • エアギャップからのレスポンスが低下すると材質測定が行われます。
  • 材質による信号は測定板表面からのレスポンスを補正するために使用します。

特長

測定原理にPEC(パルス渦電流方式)を使用。放射線は一切使用していないため、人体への影響は全く無し。

非接触でストリップの板端をミリメートル単位で測定。

合金による補正・再設定が不要。

外気温、測定板の温度変化、クーラント、蒸気、光等測定ギャップ内の条件に測定は影響無。

定期的なメンテナンス、クリーニングが不要。トータルのランニングコストを最小化。

使用ユーティリティは電源およびセンサ内部供給用の計装空気のみ。

テクニカルデータ

最小板厚   スチール :0.1mm 
   ステンレス :0.1mm
   アルミニウム :0.005mm
   銅 :0.005mm 
 最大板厚   :20mm
 最小板幅   :220mm(※センサ据え付けによる)
 最大板幅   :制限なし
 センサ測定幅  PMSG123-Ax
 PMSG125 – Ax
:350mm/台(※測定領域幅)
:820mm/台(※測定領域幅)
 使用温度範囲    :+50℃~70℃
 保護等級   :IP65 
※測定板幅の最大幅と最小幅の差によってセンサの種類を選定いたします。

導入設備

厚板圧延機(粗圧延/仕上げ圧延)

ステッケル圧延機

熱間圧延機(粗圧延/仕上げ圧延)

冷間圧延機(入側/出側)

タンデム圧延機(入側/中間/出側)

リバース圧延機(入側/出側)

スキンパス圧延機

圧延材

ステンレス鋼

炭素鋼板

電磁鋼板

アルミ板

銅板

ステンレス鋼

ステンレス鋼(BA材)

その他(別途ご相談ください)

Q&A


外資系企業という事でトラブル時の対応およびサービス対応に不安があります。

ご安心ください。国内にサービス員がおります。静岡県の三島サービスセンターおよび東京の大崎本社を起点として駐在しており、日本人のサービス員が試運転調整からトラブル対応を行っております。

また、制御部の製品(パーツ)は、他製品(圧延荷重計ロードセル等)で使用しているハードウェアと同様のハードウェアを使用しております。緊急時にはそちらで代用が可能となっております。


いざという時に自分たちでも操作できるようにしておきたいです。

ご安心ください。三島サービスセンターには、デモシステムがございますのでそちらを使用して、操作方法やトラブルシューティングメンテナンス方法についてのトレーニングを行う事が可能です。是非ご相談ください。


板幅計の導入効果について教えてください。

圧延材の位置を正確に知ることは、圧延工程には重要なパラメータの1つとなっております。圧延材の位置を正確に知ることで、コイルの巻き取りの改善につなげることができます。これによりリコイリングが省け、また板端部のダメージによる次工程によるトリミングや歩留まり向上にもつなげることができます。

また、正確な圧延材の位置を測定することは、圧延材全体の形状測定の改善にもつなげることができます。板幅計で測定された圧延材の位置信号を形状測定システムに出力することで、形状測定の特に板端部のより詳細な形状測定につなげることができるようになります。


導入事例について教えてください。

圧延時により高度なノウハウを要する電磁鋼板の圧延工程で、板幅計の要求が増えてきております。

あるお客さまにおいては、タンデムラインの中間スタンド全てに板幅計を導入致しました。形状計も同時に全スタンド間に導入されたのですが、これらを組み合わせることでより良い形状検出につながり、板破断の事象が劇的に減少したという事例がございます。

また、圧延機だけではなく当社の板幅計は多くのプロセスラインへの納入実績もございます。

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