形状計/シェープメーター/形状検出器/形状制御システム

鉄・銅・アルミ・ステンレス鋼板および金属箔向け

高品質の製品を製造し、かつ歩留まりを高め生産を上げるためには、信頼性があり、精度の高い形状測定および形状制御は重要な要因です。これを実現するためのシステム導入には、長期的かつ高額な投資になります。そのため信頼性があり実績があるシステムの導入を慎重に進める必要があると考えます。ABBのシステムはお客様の運用に長期的な視点に立ち、最適なご提案とシステムをご提供いたします。

製品概要

1953 年、ABB の前身であるASEA社が開発、特許を取得した革新的発明である磁歪式計測技術:Pressductor ®は、ABBのユニークな計測技術です。この技術を採用した代表的なセンサの一つに圧延荷重計(ロードセル)があります。信頼性、精度、性能等が実証され多くのお客様に認知頂き、多くの圧延機に実装され使用され続けております。

圧延されたシート材の形状を測定する形状測定システム(Stressometer®)は、同様の測定技術、Pressductor ®を採用しており、生産性向上と品質への要求の高まりを受け、1960年代に初号機が開発されました。多くの実証試験を重ね商用として1967年にカナダのアルミ製造メーカであるAlcan社向けに初めて納入されました。それ以降着実に納入数を増やし、現在では1500本以上の形状測定ロールおよびシステムとして1100以上のシステムを、鉄、銅、アルミ、ステンレス鋼および金属箔のお客様に納入しております。

高品質のストリップ(銅板、アルミ板、鋼板)を製造するには、信頼性があり高精度の形状測定が非常に重要になります。更には信頼性があり精度が高い測定のもとにどのように圧延機を制御するかが、いかに高品質の製品を生み出し効率よく生産するかを決める要因になります。

形状測定

ABBの形状測定ロールは、形状ロールの円周上90度ごとにセンサが配置されており、ロールが1回転につき最大4回測定が可能です。また、圧延開始時の低速状態から、4000rpmの高速時まで測定が可能なため、歩留まり改善、不良率の削減によるスクラップの減少、それによる圧延時間の短縮を可能にし、お客様の生産性向上に貢献することができます。これはエネルギーの節約とCO2削減にも大きくつながります。

形状制御

ABBが提供する形状制御システムは、独自の制御モデルをを備え、このモデルを基に形状偏差から最適なアクチュエータの要素を選択し圧延機を制御します。機械的な制御および温度調整制御(クーラント制御)を組み合わせ、内蔵されたプロセス自動識別ツールによって制御します。圧延機の種類問わず(4/6段圧延機、多段式圧延機)、圧延機に合わせた制御システムを提供いたします。

形状測定機能と形状制御機能、これらを組み合わせることにより、お客様のパフォーマンスを最大限にして、ライフサイクルコストを最小限にします。

特長

・センサは形状ロール円周上90度ごと、板幅方向1列にそれぞれ配置されています。

・ロール1回転につき、最大4回計測が可能です。

・圧延材や用途に合わせ、ロール表面、硬度、ロール径をフレキシブルに選択することが可能です。

・形状測定は、瞬間的な張力変動により影響を受けません。

・定期的なロール修理、再校正は不要です。

・圧延開始時から最大4000rpmまでのラインスピードで測定が可能です。

・ストリップ幅に合わせ、測定幅をフレキシブルに設計可能です。

・ロールリングとセンサの材質が同質のため、計測は温度変化による影響を受けず、温度補正も不要です。

・ロガー機能により、形状検出分析や圧延したコイル毎のデータ取集・保存が可能です。

導入設備

2/4段圧延機(入側/出側)

6段圧延機(入側/出側)

12段圧延機(入側/出側)

20段圧延機(入側/出側)

Z-High圧延機(入側/出側)

スキンパスミル

CALライン

タンデムライン

熱延ライン(アルミ)

ホットスキンパスミル

圧延材

ステンレス鋼

炭素鋼板

電磁鋼板

アルミ板

銅板

ステンレス鋼

ステンレス鋼(BA材)

その他(別途ご相談ください)

ABB株式会社 計測・分析機器事業部

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Q&A


形状測定器を導入するとどのような効果があるのですか。

現在、圧延機導入時にはほとんどにおいて形状測定器は標準的に採用されている測定器で、圧延工程においては無くてはならないものとなっております。そのため形状測定器の効果を実感することは難しいですが、1例としてアルミの熱延工程に形状測定器を導入した事例を紹介いたします。熱延工程に形状測定器を導入した結果、板形状検出が出来るようになりスポットクーリングをより効果的に制御でき、クーラント使用量が従来比から50%削減することができました。更に、エッジトリミングパスで圧延測度が300mpmから350mpmへ速度を上げることができるようになりました。また、下工程の冷間圧延における圧延測度を10%増加することができ、歩留まりが2%改善することができました。

形状測定器がない状況で圧延を行うためには、何かしらの方法で人の手で板形状を確認する必要があります。人の手を介して板形状を確認するには安全を考慮し運転をしなければならず、また圧延測度も落とさなくてはなりません。形状測定器はこれらを改善するために貢献することができます。


なぜ校正が不要なんでしょうか。

採用している測定方式である磁歪式(Pressductor®)は、物理的変化による測定方式ではなく、磁界の変化による測定方式のため、物的な動作量は測定に影響がないため校正を必要としません。一方で、圧電素子やひずみゲージの測定原理は、物理的な動作量による電気的な変化を測定しているため、定期的な電気的校正が必要となり、センサ交換も必要になってきます。


外資系企業という事でトラブル時の対応およびサービス対応に不安があります。

ご安心ください。国内にサービス員がおります。静岡県の三島サービスセンターおよび東京の大崎本社を起点として駐在しており、日本人のサービス員が試運転調整からトラブル対応、設置に関するコンサルタント等を行っております。また、三島サービスセンターでは、形状ロールの状態診断、定期メンテナスおよび1次オーバーホールを行っておりますので、万が一時に日本国内で補修対応する事が可能です。三島サービスセンターの見学についても、ご要望に応じて実施しております。


ABBの形状計は他と何が違うのでしょうか。

「特長」の項目で記載した内容は、ABB形状計の特徴でもあり、他と異なる点でもあります。形状測定器の導入を最大限活かすためには、正確で信頼性があり精度の高い測定こそが必要です。演算で補正された測定値は実際のものとは異なります。多くの測定点を持ち、外乱に影響されない測定こそが、お客様に最大の効果をもたらします。ランニングコストを含め包括的に考え導入された多くの実績がABBの自信となっています。

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