欧州最大の生物医学研究施設であるフランシス・クリック研究所の科学者は、ABBの技術で精密な実験装置を保護しています。悪天候や過負荷の発生など、電力系統上のイベントは、配電網における一般的な電圧変動や瞬時電圧低下(瞬低)を引き起こす可能性があります。これらは通常の電気機器にはほとんど影響しませんが、精密な電子機器やデータ収集プロセスに深刻な影響を与える可能性があります。
これらの電力品質問題は、欧州最大の生物医学研究所であるフランシス・クリック研究所にとって大きな課題でした。フランシス・クリック研究所に所属する1,250人の科学者は、がん、神経科学、生理学、老化、恒常性に関する最先端の研究を行い、人間の病気を治療、診断、予防する新しい方法を発見しています。研究所は、研究者に最高の作業環境を提供するために2016年に開設されました。つまり、高度な顕微鏡や高性能コンピュータからサンプル保管のための冷蔵庫まで、すべての科学機器は、昼夜を問わず、一年中最高のパフォーマンスで一貫して機能する必要があります。
しかし、電力障害が深刻な混乱を引き起こしていました。科学者は、重要な時期に機器が停止してデータが失われたり、研究プログラムが遅れたりする可能性を懸念していました。
「私たちの研究チームに最高品質の環境を提供できるということは、彼らが自信を持って重要な研究を進めることができることを意味します。そこで、機器の故障と電力供給の異常の両方を記録し始めたところ、瞬低によって問題が発生したことをすぐに特定できました」と、フランシス・クリック研究所の施設&インフラチームのシニアプロジェクトマネージャーであるリー・ダウンズ氏は述べています。
2023年初め、研究所の施設チームは、英国の自動化・制御のスペシャリストであり、ABBの長期的なパートナーであるセントリッジ・コントロールズ社に、調査と解決策の提案を求めました。機器の故障と電力供給の異常を分析し、電圧低下が原因で問題が発生していることを迅速に特定しました。ローカル電力系統は英国の高い電力品質基準を満たしていますが、科学機器の精密な特性には追加の支援が必要でした。
提案されたソリューションには、システム容量225 kVAのABB PCS100 AVC-40アクティブ電圧コンディショナ(AVC)8台と低圧バイパス配電盤が含まれていました。AVCは、入力電圧を調整して、電圧を非常に厳格な品質範囲内に補正します。電圧低下と変動は数ミリ秒以内に相殺されるようになったため、精密機器は正常に機能し、研究所の貴重な研究にも影響が出なくなりました。
このシステムは、補正電圧を構成するために必要なエネルギーを商用電源から取り込むため、高価なバッテリとそれに伴うメンテナンスコストが不要になります。高度な制御ソフトウェア、高信頼性のコンバータプラットフォームを備え、98%以上の効率で動作します。
「AVCのおかげで、極端な条件下でも、最大40%の電圧低下が自動的に修正され、コストのかかるダウンタイムや重要データや研究の損失を回避できます」と、セントリッジ・コントロールズ社のジェネラルマネージャーであるフィル・トムキンソン氏は述べています。
大規模な研究センターには通常、予備発電機と無停電電源装置(UPS)が設置され、大型バッテリシステムを使用して電力品質の問題や停電に対処しています。UPSバッテリシステムは、定期的なメンテナンスとテストを必要とし、貴重なスペースを占有します。
ABB英国のパワープロテクションプロダクトマーケティングマネージャーであるスチュアート・ディーリングは、次のように述べています。「フランシス・クリック研究所は、世界有数の生物医学研究施設です。彼らがABBの技術を採用したという事実は、私たちが誇るパフォーマンスと信頼性の高さを示しています」
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