自動車メーカーによる、より持続可能な塗装ラインへのシフトチェンジ

自動車メーカーによる、より持続可能な塗装ラインへのシフトチェンジ

車の色は、単に特定の色合いに対する好みだけのものではありません。ある人にとっては個性の表現であり、スタイルの主張でもあります。これに加えて重要なのは、ABBが日本で開発した画期的な塗装プロセスによって、塗装が環境に配慮した選択肢になり得るということです。

 受賞歴のあるPixelPaintシステムは、ロボットによるオートメーションとABBのプログラミングとシミュレーション用ソフトウェアRobotStudio®を使用して、より効率的に塗料を塗布します。これにより、自動車の塗装工程は自動車メーカーが持続可能性目標を達成するために重要な役割を果たすことができるようになり、同時にこれまで想像もできなかったようなユニークなデザインの可能性も実現できるようになりました。


  • PixelPaintは、ほぼ無限のデザインの選択肢を提供
  • PixelPaintは、ほぼ無限のデザインの選択肢を提供

インクジェットの原理を活用

PixelPaintは、静岡県島田市にあるABBテクニカルセンター(塗装機と塗装技術の研究開発および製造拠点)で開発されました。

PixelPaintの塗装ヘッドには1000以上の個別制御可能なノズルを搭載
PixelPaintの塗装ヘッドには1000以上の個別制御可能なノズルを搭載
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マスキング材や追加の換気設備が不要になるため、排出ガスの削減と水とエネルギーの節約が可能となり、製造工程の持続可能性を高めます。PixelPaintは2トーン塗装工程の生産時間を半分に短縮し、コストを最大60%削減できます。

ビデオ:ABBロボティクス、世界初のロボット塗装によるアートカーを発表

PixelPaint は、高塗着塗装機RB1000i-S など、 既存のABB静電塗装機による塗着効率を向上させる取り組みと並行して開発されています。

ABBの高塗着塗装機がマツダ株式会社の塗装効率向上に貢献

宇品第1工場でABBの高塗着塗装機RB1000i-Sが使用されている様子
宇品第1工場でABBの高塗着塗装機RB1000i-Sが使用されている様子
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マツダ株式会社は、2035年までに世界の生産拠点でカーボンニュートラルを達成するための取り組みを加速させるため、昨年からRB1000i-Sを広島県の宇品第1工場で複数台導入しています。

塗料の削減、廃棄物の削減、エネルギーの削減

自動車製造時のCO2 排出量のうち60%は塗装工場で発生すると推定されており、カーボンニュートラルを目指す自動車メーカーにとって、塗装工程は最適化の重要なターゲットとなっています。ABBの高塗着塗装機RB1000i-Sは、最大95~99%の塗装機効率を達成し、塗料の使用量、廃棄物、エネルギー消費量、CO2排出量を削減します。 また併せて揮発性有機化合物(VOC)の削減と、塗装ブース内の廃液処理のためのエネルギー消費の削減も実現することで、CO2の排出削減をさらに後押しします。

ビデオ:RB 1000i-Sによる塗料搬送効率の向上で持続可能な自動車塗装を実現

デジタル化された塗装機は、オーバースプレーを抑えて車体への塗料塗着量を増加させることで、塗料の使用量を削減します。また、圧縮空気の消費量と色替え時の塗料の無駄を削減することで、塗装工程および塗装ブース関連機器のCO2排出量削減に貢献しています。

宇品工場で「CX-5」と「MX-5」などを生産するマツダは、ABBの高塗着塗装機の導入後、塗料使用量を約17%削減したと公表しています。
併せて、エネルギー消費量や、オーバースプレーによる装置への影響を防ぐための保護マスキングの交換などのメンテナンス頻度も減少しています。

マツダは、既設の他社製ロボットにRB1000i-Sを導入することで、導入時にかかるコストを抑え、カーボンニュートラルや循環型経済を支えています。

ABBのロボットおよび他社製ロボットに取り付けることができるABBの高塗着塗装機RB1000i-Sは、循環型アプローチに沿ったスマートで持続可能なソリューションを自動車業界に提供するマツダの取り組みを支援しています。

* 年間生産台数170,000台、 1台あたり塗料1リットル を使用と仮定した際のABBによる試算。

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