プロセスガスクロマトグラフ PGC1000

PGC1000は、従来の概念を覆す、画期的なプロセスガスクロマトグラフです。
ランニングコストの低減と省スペースを特徴とし、 お客さまの生産性向上、および環境負荷の低減に貢献いたします。
計装空気不要で、標準ガス・キャリアガス(He, H2, N2)の消費量を大幅に削減可能なPGC1000は、ガス事業法にも対応しております。屋内、屋外で設置可、 日本のTIIS防爆も取得済みなので、場所や環境を選ばずご使用いただけます。 

製品概要

 

Btu-8000

1995年、フィリップス石油の発祥地であるアメリカ、オクラホマ州バートルズビルの工場で、ABBは世界に先駆けモジュール型プロセスガスクロマトグラフ(Btu-8000)の製造を開始いたしました。

業界のパイオニアBtu-8000の系譜を継ぐ最新型プロセスガスクロマトグラフPGC1000は、極寒のガス田から灼熱の砂漠の中、LNGを運ぶ船の上まで、世界中のあらゆる製造現場でプラントの生産性向上に貢献しています。

 

PGC1000は、ガスクロマトグラフの心臓部であるカラム、バルブ、検出器、およびそれらを内包する恒温槽を “分析モジュール“ と呼ばれる小型のモジュールに格納し、アプリケーション(測定対象)毎に型式化しています。
また、ガスの流通路はハードウェアにそのまま加工されており、配管を使用しておりません。 このことはガスクロマトグラフ内部のガス流通路の総体積削減につながり、その結果、業界最低水準のキャリアガス・標準ガス消費量を実現しました。
加えて、モジュール化(小型化)の恩恵により恒温槽内部のダイアフラムバルブの可動域は最小化され、連続運転による摩耗を最小限に抑えることでダイアフラムの定期交換も不要になりました。
このような革新的な技術を採用したPGC1000は点検時に熟練技術を必要としません。オクラホマの荒野に点在する石油・天然ガスの掘削リグの現場のニーズを汲み上げて誕生したモジュール型デザインが、プラントの分析機器の中でも特殊性の高かったプロセスガスクロマトグラフをより身近に、ダウンタイムを最小化し、お客様の生産性向上をサポートいたします。

特長

・ 定期的に交換が必要な消耗品無し

・ 計装空気不要、消費電力を大幅に削減

・ 標準ガス・キャリアガス(He, H2, N2)の消費量を大幅に削減

・ 屋外設置可能(IP56、周囲温度-18℃~55℃の環境にそのまま設置可能)

・ 配管レスなモジュール型恒温槽デザインにより保守の難易度を大幅削減

・ 高速応答。最大4流路を1台のPGC1000で切り替え分析可能

・ 堅牢な耐圧防爆構造(TIIS, ATEX, IECEx, TR-CU, CSA, Ex-CCC, KOSHA等、世界各国の防爆規格に対応しています)

・ 高い繰り返し精度。成分分析に加え熱量、比重、ウォッベ指数等の計算も可能

測定対象ガス

・  LNG, LPG, その他C9類までの炭化水素

・ 付臭剤(TMB, THT等)

・ 一酸化炭素、二酸化炭素、水素、酸素、窒素

・ 硫化水素

・ HRVOC

・ コークスガス・高炉ガス

・ バイオガス

適用産業、製品例

・ LNGターミナル、パイプライン、サテライト基地

・ エチレン、その他石炭・天然ガス・石油化学プラントの軽質炭化水素測定

・ ガスタービンの熱量監視

・ 水素製造設備

・ 製鉄所

・ フレア排ガス中のVOC測定

Q&A


周囲温度仕様(-18℃~55℃)範囲を超える極地での使用は可能ですか?

可能です。個別の設置環境に応じ、ABBのエンジニアが保護キャビネットやシェルター等の設計をいたします。詳しくはABBにお問い合わせください。


キャリアガスの消費量はどの程度でしょうか?

ボンベ充填圧に依りますが、47Lの容器サイズの場合、1台のPGC1000当たり24時間365日連続運転において年間約2本で運用頂くことが可能です。


自動校正は可能ですか?

可能です。必要に応じ、月/週/日単位のスケジュール校正の設定も可能です。


液体の測定も可能ですか?

PGC1000に導入できるサンプルは気体のみとなりますが、サンプル条件に依ってはABBの設計する前処理装置で気化を行い分析できる場合がございます。詳しくはABBにお問い合わせください。


ガス事業法対応は可能ですか?

可能です。詳しくは本ページ下部の特設ページリンクをご確認ください。


なぜ計装空気を使用せず運転ができるのですか?

大型ガスクロマトグラフの場合、カラムや検出器を格納する恒温槽の温度維持、バルブの駆動、および防爆構造上(内圧防爆)計装空気が必要になる場合があります。対してPGC1000は主に以下の理由から計装空気を必要としません。

-          ダイアフラムバルブの可動域が小さいため計装空気に代わり少量のキャリアガスを使用しバルブ操作を行っています。

-          超小型恒温槽デザインにより計装空気ではなく電気ヒータを使用して安定性の高い温度管理を実現しています。

-          防爆構造は計装空気を使用した内圧防爆ではなく、耐圧防爆デザインです。


消費電力はどの程度でしょうか。

1台のPGC1000の場合、運転時は平均約7ワット(マニホールドヒーター無し)から約64ワット(マニホールドヒーター有り)となります。消費電力は周囲温度に依りますので、詳しくはABBにお問い合わせください。

※マニホールドヒータはサンプルガスの導入部を加熱する目的で使用されます。


ガスクロマトグラフなのに、どうしてこんなに小さいのですか?

低沸点炭化水素、且つ天然ガスの分析に特化しているためです。
ガスクロマトグラフの汎用性を高めるためには多様なカラム、検出器、バルブを恒温槽に搭載できる必要があります。メーカーとしてはこの汎用性を共通のデザインの筐体で実現したいため、“大は小を兼ねる“ という発想で恒温槽の容積は比較的大きく設計されます。しかし、実際は必ずしもすべてお客様が複雑なハードウェア構成を必要とする分析を必要としているわけではなく、用途によってはオーバースペックとなってしまう例がしばしばございます。PGC1000はこのようなニーズに対応するため、低沸点炭化水素、且つ市場規模の大きい天然ガスの分析に焦点を絞りハードウェアサイズを最適化しました(例えば検出器の選択肢は熱電度検出器:TCDのみです)。その後の技術革新によりPGC1000は現在天然ガスのみならず、複数のアプリケーションに適用することが可能となっています。ABBは汎用性の高いPGC5000,および低沸点炭化水素分析に特化したPGC1000の2種類の防爆プロセスガスクロマトグラフを有する国内唯一のメーカーです。

日本の防爆は取得していますか?

ご安心ください。TIIS防爆を取得しております。

お問い合わせ先:

ABB 株式会社
インダストリアル・オートメーション事業本部
計測・分析機器事業部
03-4523-6700

 

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