- 大規模工場の自動化、高度なプランニング、設計を統合し、モジュラーハウジング製造に変革をもたらすコラボレーション
- 建設部門の労働力不足が深刻化する中、より良い新しい住宅への需要が高まり、建設部門の自動化は2030年までに85%増加すると予測される1
ABBロボティクスとポルシェコンサルティングは、モジュラーハウジング製造における革新的な新工法を開発するパイロットプロジェクトにおいて、建設業界の自動化を推進するための協業を発表しました。 この協業は、労働力と技能の不足が蔓延する中、より安価で持続可能な建築物へのニーズに応え、建設による環境への影響を軽減する一助となります。
「建設業界は多くの課題に直面しています。高度に自動化された建築用工場は、より高品質で手頃な価格の住宅を提供することができます。ABBの最先端のロボットソリューションと、ポルシェコンサルティングの最先端の工場の計画と運営に関する知識を組み合わせることで、私たちはこの重要な業界の変革に貢献したいと考えています」と、ポルシェコンサルティングのEberhard Weiblen取締役会長は述べています。
「モジュラーコンポーネントの製造工程を自動化することで、この分野および住宅建設方法を変革する明確な機会があると考えています」と、ABBロボティクスディビジョンプレジデントのマーク・セグーラは述べています 。「より大規模でインテリジェントな自動化は、広範囲に及ぶ労働力不足に対する解決策であり、このコラボレーションは生産性を向上させ、より大きなカスタマイズを可能にし、より持続可能で効率的な建設手法を可能にするでしょう」
建設関連職種の労働力不足は、多くの国で住宅不足の一因となっています2。米国では労働力不足が400万戸近い住宅不足の一因となっており3、ドイツでは2030年までに35の都市で住宅供給が不足すると予測されています。4
伝統的な建設部門は、新しい住宅の需要を満たすのに苦労しており、建物の環境性能と効率は、より持続可能な建設方法の採用とともに改善される必要があります。これには、建設現場までの原材料の輸送を減らし、不要な材料や廃棄物の除去にかかるコストや影響を排除することが含まれます。これは、建築現場に輸送される材料の最大25%を占めると推定されています5.
モジュール建設は、資材の無駄を省き、悪天候による損失日数を減らすことで、効率性をもたらします。また、工場はより安全で快適な労働環境を提供することができます。建設労働者は労働災害の約30%を占め、死亡事故に巻き込まれる可能性は他の業種に比べて4倍も高いのです。6
建設業は、オートメーションや ロボットの導入で他産業に遅れをとっています。ABBが欧州、米国、中国の大小建設企業1,900社を対象に実施したグローバル調査では、ロボットを使用していると回答した建設企業はわずか55%で、自動車産業の84%、製造業の79%を下回っています。また、同調査によると、81%の建設企業が今後10年間にロボットやオートメーションの導入や利用拡大を計画しています。7
ポルシェコンサルティングの Eberhard Weiblen氏は、「私たちは持続可能な住宅の重要性を理解しており、技術と専門知識を建設部門に移転することで、他の産業で見られたような好影響がもたらされると信じています」と付け加えました。
「私たちの青写真を現実のものにし、ロボットによるモジュラー建設が、私たちの社会が求めている変化をどのようにサポートできるかを実証します。この共同アプローチは、品質、効率、デザイン、持続可能性の面で、モジュラー建設を新たなレベルに引き上げるでしょう」と、ABBのマーク・セグーラは締めくくりました。
1 世界建設2030レポート
2EURES-労働力不足レポート (europa.eu)
3住宅供給: 拡大する赤字 - フレディマック
4ドイツ銀行、2023年住宅市場見通し
5WRAP
6国際労働機関2015
7ABB建設業調査 2021年5月