2018 年6 月18 日ドイツ発 - ABB とドイツのアルゴイヤ・ウバランドヴェルケ社(Allgäuer ÜberlandwerkeGmbH)は、エネルギーとe モビリティセクターを結びつけるための広範な取り組みの一環としてパイロットプロジェクトを運用しています。
ドイツ南部のバイエルン州山岳部のアルゴイ地域では、ABB とアルゴイヤ・ウバランドヴェルケ社(Allgäuer Überland-werke(AÜW)GmbH がABB Ability™ Energy Optimization を利用したエネルギー管理システム(EMS)を試験的に運用しています。このEMS は伝統的な農業とデジタル技術が融合するスマートファームに構築されます。この取り組みは、エネルギー、モビリティ、情報通信技術分野のより緊密な統合の促進を目指す、「3connect」と呼ばれるドイツ政府が主導するパイロットプロジェクトの一つです。つまり、スマートファーム、スマートグリッド、スマートモビリティを統合しようという試みです。このABB Ability™ Energy Optimization を利用したEMS を、日本国内ではABB 日本ベーレー株式会社がお客さまに提供します。
近代的な乳牛用の有機牧場で、太陽光パネル、電気ボイラやヒートシンクなどのPower to Heat、蓄電池および電気自動車の充電ステーションなど、近年市場に導入された新しいエネルギー源や、革新的かつ持続可能な農場のエネルギーコンセプトをEMS がサポートしています。さらにはジョンディア製ハイブリッドトラクターのプロトタイプまでもがEMS でサポートされています。例えば、e トラクターは、EMS とのエネルギー需要、その使用状況や充電ニーズに関するデータを交換することができます。
このような新たなエネルギー源の増加により、局所的には自家消費に関して、そしてより大きな視点ではエネルギー取引予測や系統連系について双方をより広く考慮した上で、農場のエネルギー生産量と需要を最適化する必要性が高まってきています。ABB Ability™ Energy Optimization の活用によって、これらを実現することができます。
このシステムは、エネルギーの生成と消費を予測計算すると同時に、選択したデバイスをリアルタイムで制御し、運用コストを最小限に抑え、再生可能エネルギーを最大限に活用します。再生可能エネルギーの発電量と負荷の可用性を予測計算した後、最適かつ経済的なエネルギースケジュールが決定され、最適な前日市場での取引のためにエネルギープロバイダへ情報が交換されます。そして、確定した取引結果をもとに、様々なエネルギーリソースが最適に運用されるように管理します。
このような規模のEMS が可能になると、今後、小規模な産業用および商業用サイト、さらにはスマートシティの住宅地域でも効率的な方法でエネルギーの出力と需要を管理することができるようになります。これは、再生可能エネルギー源に近いエリアでのエネルギー消費を促進し、そして電力事業における再生可能エネルギーのシェアを高めるための一つの重要な要素でもあります。さらに、このパイロットプロジェクトでは、e-モビリティがより広範なスマートグリッドネットワークとどのように接続できるかを実証していきます。
Energy Optimization ソフトウェアはABB の産業を越えて統一されたデジタルオファリングのポートフォリオであるABB Ability™ 上で運用されており、デバイスからエッジ、クラウドへの拡張性を有し、さらに製品、システム、ソリューション、サービスのデータを統合して効果的な意思決定に必要な情報を提供します。ABB は産業のデジタル化における世界的リーダーであり、7 千万のデジタル制御装置、7 万のデジタル制御システム、6,000 のエンタープライズレベルのソフトウェアソリューション、50 のクラウドベースのサービスと分析技術など、世界最大のデジタル機器・ソリューションの設置基盤を誇ります。
ABB は、包括的な電力/自動化ソリューションのリーディングプロバイダであり、電力、水事業の企業パートナーの運用の改善、持続可能な発展を支えてきた点において、他に例をみない経験を培っています。ABB は統合的かつ安全なデジタルシステム、サービスおよびソリューションで、従来電源、再生可能電源、水施設の自動化、最適化をサポートしています。2016 年以来、エネルギー、モビリティ、情報通信技術を専門とする企業団体がエネルギーとモビリティ分野(再生可能エネルギー、蓄電、e モビリティ、IT インフラストラクチャ)の統合のインパクトについて研究を重ねています。ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)の支援を受けて、「3connect」プロジェクトのパートナー企業がこの分野のソリューションを分析・開発しています。とりわけ、IT ベースのe モビリティ活用事例、およびエネルギー市場とフリートマネジメント/車両共有予約システムの連携について研究されています。
このコンセプトは、今年からフィールドテストに入る予定です。
ABB 日本ベーレー株式会社(本社:静岡県伊豆の国市)は、プラントオートメーション技術のリーダー。1971年の創業から約半世紀、米国Bailey Meter 社の制御技術と運転ノウハウを起源とし、ABB グループの一員である現在まで、火力発電所やLNG 受入基地など常に最新の制御システムを納入。火力発電所ボイラ制御システム国内シェアの約50%を占め、関連市場の黎明期から日本のエネルギー産業の成長と発展に貢献してまいりました。日本のエネルギー産業への深い造詣、先駆者として産業界をリード゙してきた技術。ABB 日本ベーレーには高温高圧調整弁などのハードウェア、制御システムにおいては製品世代間の互換性、その他安全計装やIEC61850 対応装置、タービン制御装置など、幅広い商品群をもち、お客さまにとって理想的なシステムを実現できます。
ABB(ABBN:SIX Swiss Ex)は、電力機器、一般産業、交通/社会基盤において、パワーグリッド、エレクトリフィケーション・プロダクト、インダストリアル・オートメーション およびロボティクス&モーションの各分野で、世界中のお客さまに製品・サービスを提供している先駆的技術のリーダーです。130 年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、そして今日、ABB はふたつの明確な価値命題を掲げ、産業のデジタル化の未来を描いています。それは、あらゆる種類の発電所からの電気を消費家に届け、天然資源から完成品に至るあらゆる産業を自動化するということ。Formula E のタイトルパートナーとして、ABB はe モビリティの限界を押し広げ、持続可能な未来に貢献します。ABB は世界100 か国以上に約147,000 人の従業員を擁しています。
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お問い合わせ先:
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広報担当: 伊東
電話: 055-949-3311
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