ABBのPCS100 AVC-40は電子機器、自動車から建築まで幅広い産業で使用されているグラスファイバー製品の製造メーカである日東グラスファイバー工業株式会社の製造ラインの一部設備を、瞬時電圧低下(瞬低)から保護しています。
瞬時電圧低下とは電力系統において天候等により日常的に発生している送配電側のトラブルで、特に落雷時に一般的に起こりえます。瞬時電圧低下から生産機器を保護することで、予期しない生産機器の停止の回避、計画通りの生産スケジュールの確実な遂行、そして生産ロスの削減が図れます。PCS100 AVC-40はこれらの瞬時電圧低下や、電圧変動を低コストで補償する装置です。
日東グラスファイバー工業株式会社の福島県郡山市におけるグラスファイバーの製造ラインでは、計装設備が多様に組み込まれており、短時間の電圧変動や瞬低による生産ロスが生じていました。この損害のほとんどが停電ではなく瞬低によって発生していたため、いろいろな選択肢がある中、費用対効果が高いPCS100 AVC-40を導入しました。現在、製造ラインに600kVA、450kVAおよび300kVAの3台が設置されています。導入から複数回の瞬低補償を確認しており、安定生産に寄与しています。
日東グラスファイバー工業株式会社 施設管理課長である鹿野淳一様は次のように述べています。「弊社の生産ラインは、24時間365日休まず稼働しております。電力供給トラブル等により生産ロスが発生してしまうと、通常生産までの復旧に多大なロスが生じます。そこで設備を保護する為、対策を検討しておりました。運用面において弊社設備にマッチングした保護装置がAVCでした。検討時から真摯に対応頂いた事で安心して導入する事ができ、導入後も性能を十分に発揮し大変助かっております」
同課の松山孝之様は次のように述べています。「AVC導入前は、バックアップ用として使用しているUPSの定期交換費用にも苦慮していました。AVC導入後は、さらに安定した電源供給により安定操業に寄与しています。またUPSの定期交換費用も削減出来た事から大変重宝しています」
ABBのPCS100AVC−40は、産業および大規模な商業用途のために特別に構成されています。この装置は商用電源から必要な追加エネルギーを引き出して補償電圧を生成するため、バッテリを必要としません。概してバッテリに伴う継続的なメンテナンス費用が不要なので、PCS100 AVC−40システムの所有コストは非常に低くなります。
日東グラスファイバー工業株式会社は、日本で初めてグラスファイバーを工業化した日東紡績株式会社のグループ企業の1社であり、主に電子材料向けグラスファイバーを生産しており、スマートフォンなどの電子機器の精密基材として使用され、その品質は世界から高い評価を得ています。グラスファイバー事業においてはスペシャルガラスなどの高付加価値製品の生産体制の拡充を構築しています。
同社は更なる安定生産に向け、引き続き全ての生産設備保護に向けて同設備導入を計画予定しています。