ABBの冶金ソリューションは、日本の鉄鋼メーカーのより高い資源効率での製品品質向上を支援します

「カーボンニュートラル」と「より高い品質」は、日本の鉄鋼業界における2つの大きな課題です。ABBは、製鋼に関する深い専門知識と長年の電磁攪拌・ブレーキ技術と、その幅広い製品ポートフォリオという独自の強みを生かし、排出ガスの削減と、より高品質で新しい鋼種の生産という課題に対してともに取り組んでおります。

依田裕道:ABBジャパンの金属・冶金事業と紙パルプ事業を統括しています。
依田裕道:ABBジャパンの金属・冶金事業と紙パルプ事業を統括しています。
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世界と同様に日本でも、鉄鋼業界における環境負荷低減へのプレッシャーは高まり続けています。具体的には、製造工程で排出される気候に悪影響をおよぼすCO2を削減する新しい方法を見つけなければなりません。持続可能な鋼材の生産を増やす一方で、市場からは現行と同等の欠陥の少ない、より高品質な鋼材が求められています。

製鉄所のCO2削減と品質向上の両立を支援するため、ABBジャパンの金属・冶金チームは、鉄鋼生産量1トンあたりのCO2排出量を削減するだけでなく、コスト削減や品質改善管理のしやすさを実現できる製品を提供します。例えば、鉄鋼メーカーがこれらの技術を採用することで、より品質の高い鉄鋼を作ることができ、資源効率も向上するため、原材料やエネルギーの節約につながります。また、このソリューションにより、製造工程をよりよく監視できるようになり、プロセスをよりよく管理しやすくなることで、コストのかかるダウンタイムを削減できるとともに、常に重要視している操業の安全性を維持することができます。

より大きな価値を生み出す、お客さまごとにカスタマイズされたソリューションの提供

依田裕道は 、ABBジャパンの金属・冶金事業と紙パルプ事業を統括しています。日々の業務では、お客さまとの技術的・営業的な議論に深く関わり、その議論の多くは、金属産業においてより少ない原材料でより多くの価値を生み出すことを目標としているものです。

「本来、冶金製品のラインナップは、お客さまがより良い品質の鋼材をより低コストで生産することに貢献できるものです」と依田は説明します。「しかし、具体的にどうするかは、お客さまの具体的な状況や条件によって異なります。私たちのアプローチは、お客さまと深く話し合い、お客さまの目的や課題を理解した上で、お客さまの目標達成のために最適なソリューションを提供することです。私たちは、すべてのステップでお客さまとの緊密なコミュニケーションを重視し、物事がどのように機能しているかをフォローアップし、改善の余地がないかを確認します。また、メンテナンスに関する問合せや教育にも対応し、プロセスを可能な限り高いパフォーマンスレベルに保ち、お客さまの安定操業、品質改善、コストとCO2削減をサポートしています」

「当社の製品により、お客さまが得られる運用上の利点は、多くの場合、収益に直接つながります」と、依田は続けます。「安定した操業と、より高品質な製品により、生産歩留まりの向上や製品の価値向上に貢献します。また、新しい鋼種は、既存の鋼種よりも高価格にできることがよくあります。さらに、当社の冶金ソリューションは、プロセスの変動を抑制できるため、より厳しい品質領域でプロセスを稼働することができます。これにより、エネルギー使用量を削減し、環境負荷を抑えながらより安定した運用を実現します」

ABBのArcSave®の技術は、電気炉の操業時の冶金的パフォーマンスを最適化します。
ABBのArcSave®の技術は、電気炉の操業時の冶金的パフォーマンスを最適化します。
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あらゆる課題を解決する幅広い冶金製品

すでに多くの大手高炉・電気炉メーカーがABB冶金製品を使用し、電気炉、取鍋、アルミニウム炉、厚板・薄板スラブ、ビレット・ブルーム連続鋳造機の生産性向上、製品の品質向上、運用コスト削減を実現しています。日本の鉄鋼メーカーが関心を寄せるABBの主要製品には、次のようなものがあります:

経験豊富な鉄鋼メーカーでも簡単に操作できるプロセス

また、ABBのソリューションには、納得のいく操作性の良さがあります。鉄鋼業界では、多くの工程が主にオペレータの経験に基づいて行われています。そして、オペレータの皆さんは、とても熟練者です。しかし、ABBの冶金製品は、電磁力を使用した、再現性の高い方法により、溶融金属にさらに制御された攪拌を作り出すことができます。つまり、オペレータ個人の経験ではなく、電流や周波数の変数に基づいて、より効率的に攪拌を実行します。これは大きな前進です。

例えば、電気炉用の大型電磁攪拌装置「ArcSave」は、溶融金属の激しい攪拌を効果的に管理する技術です。ArcSaveは、電気炉内の溶鋼の攪拌と流れを細かく制御することで、コーヒーに砂糖を溶かすように、金属スクラップを素早く溶解させることができます。スクラップを高速かつ効率的に再溶解することで、エネルギー消費を削減し、生産性を向上させることができます。また鋼材の品質改善にも効果を示します」と依田は述べています。

ABB株式会社 東京オフィス (ThinkParkTower)
ABB株式会社 東京オフィス (ThinkParkTower)
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デジタルの未来への簡単な第一歩

ABBは、鉄鋼メーカーが自社のオペレーションをさらに深く理解できるような新しいデジタル冶金ツールを提供することも可能です。ABB Ability™ Optimold Control は、モールド内の溶鋼の様子をリアルタイムに検出・可視化することで、ダイナミックなプロセス制御を可能にする閉ループ制御ソリューションです。鉄鋼業におけるデジタルデータソリューションの導入は、工場の円滑な運営に役立つだけでなく、他にも良い効果をもたらすと、依田は述べています。

「生産目標を達成するためにデジタル化を活用するだけでなく、将来的に優秀な人材を確保するためにも、日本の鉄鋼業界がデジタル技術を導入することはとても重要です。日本の人口減少や重工業の環境から、多くの鉄鋼メーカーが優秀な若者の確保や人材の流出に苦労しています。最先端のデジタル化手法で資源効率を高めることで、ABBのソリューションは、明日の労働力を鉄鋼事業に呼び込むという重要な役割も果たすことができるのです」

依田裕道について

ABB株式会社プロセスインダストリ事業部長(冶金事業・紙パルプ事業)

1985年生まれ、東京都大田区在住。 東京工業大学大学院 材料物理化学専攻 修士課程修了

私には小さな子供が2人います。子どもと遊んだり、公園や買い物に行ったりと、家族で過ごす時間がとても楽しいです。家族の笑顔が好きなので朝食や夕食、クッキーも作ります。

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