銅やリチウムなど、鉱業によって得られる鉱物や材料は、コンピュータやスマートフォン、バッテリ、あるいは電気モータといった日用品を世界に供給するためにますます不可欠になっているだけでなく、脱炭素社会の実現に向けた重要な要素でもあるのです。しかし、鉱業は現在、世界の温室効果ガス排出量の最大7パーセントを占めており、環境に配慮した事業運営をするよう、ますます強く求められています1。排出量を削減するために、鉱業界は脱炭素化を実現する主要な要素である電化、自動化、デジタル化に注目しています。
ABB Ability™ eMineは、鉱業の脱炭素化を支援するため、坑内から港までの鉱業プロセス全体をカバーする電化・デジタルソリューションの手法と一貫したフレームワークで、既存の鉱業を化石燃料からオール電化に転換することを支援しています。
参考までに、すべての鉱山ですべてのトラックを電動化すると、毎日198,000トンのCO2を大気から除去することができます。eMineのソリューションの一つにABB eMine™ Trolley Systemがあります。都市における路面電車やバスのように、鉱山内の運搬用トラックは電気トロリー線上を走行するため、ディーゼル車の消費量を最大90%削減でき、エネルギーコストと環境への影響を大幅に軽減することができます。現在、カナダの鉱山では、このシステムによって二酸化炭素排出量を30%削減することに成功しています。
ABBはまた、今日、世界最速かつ唯一の採掘トラック用完全自動充電システムであるeMine™ FastChargeを試験的に導入しています。この柔軟なソリューションは、最も過酷な環境向けに設計されており、どこにでも設置可能です。また、移動資産のダウンタイムを最小限に抑えるために、現在の市場で入手可能な最高出力である最大600kWで、人手を介さずに電気トラックを充電することができます。この堅牢なソリューションのコンセプトは、モジュール設計に基づいており、近い将来、より高い充電出力に対応できるよう拡張することが可能です。
これらのソリューションをABBのデジタル・オートメーションシステムと統合することで、エネルギー消費量、利用可能な電力、機器の健全性、鉱山運営の可視性などの重要なデータを取得し、リアルタイムで作業のスケジュールや追跡を可能にすることができます。このデータを分析することで、鉱山のオペレータはエネルギー使用量をリアルタイムで簡単に監視し、最適化することができます。
キーファクト
- 採掘場から港まで、鉱山機器を電化します。
- 採掘作業とエネルギー使用量をリアルタイムで監視し、最適化します。
- 鉱山作業の脱炭素化、鉱山労働者の健康と安全の向上に貢献します。
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1 S&P Global report